「主婦でも簡単に稼げる」とか「月に100万円」とか「絶対に負けない」とかとか。100万円を稼ぐことはできなくはないことですが、はじめからできるかと言えばそれは無理なことかもしれません。
いきなり100万円を達成できたところで、それはあくまで勝率の乖離によるいわゆるビギナーズラック。維持できないというのが正しいところでしょうか。
ここでは数多いFX関連の書籍の中から「FXトレーディング 通貨取引で押さえておきたいテクニカルとファンダメンタルの基本」をご紹介します。
基本というところで良書な一冊、ぜひ参考にしてください。
基本にぴったりの「FXトレーディング」
「FXトレーディング 通貨取引で押さえておきたいテクニカルとファンダメンタルの基本」が発売されたのは、2007年6月。著者はキャシー・リーエン。
まだリーマン・ショックもなく、サブプライム問題もじわじわな頃。世のFXトレーダはロングだスワップだと華やかな世界に憧れ、後にほぼ全滅するとも知らずに贅沢な暮らしをしていた頃。いつの時代も基本は押さえておきたいものですよね。
今思えば警笛を鳴らした一冊だったのかもしれません。
2008年9月のリーマン・ショックをきっかけにドル円相場の大きな下落がはじまりました。それまで買えば戻ってくるという時代だったため、多くの個人トレーダがレバレッジに身を任せスワップ金利を楽しんでいたそうです。
今では考えられないような豪ドルの高い金利に旨味を覚えてロングをひたすら保有する、下がってもまた戻ると思い込んでいたトレーダたちはほとんどが相場から退場を余儀なくされてしまいました。
今、外部から見ると笑ってしまうかもしれませんが、そのときの大衆派というのは現在も何も変わりません。みんなが「よし」とする同じ手法を使って利益を出し続け、これが永遠に続くと思っていた頃に相場は大きな変化を見せるのです。
終わったときにはじめて「ああしておけば良かった」では何も変わりません。今からでも少数派に身をおく習慣というのはつけておいた方が良いと思います。
「FXトレーディング」の内容
「FXトレーディング」に書かれている内容はどれも基本のことです。基本だからと言っておろそかにしてはいけないことばかり。「外国為替とは」や「外為史上のイベント」などを除いても、
- 各通貨ペアにとって最適な取引タイム
- 通貨間の相関性とその利用法
- テクニカル戦略
- 主要通貨の要点と特徴
とどれも読んでおきたい内容となっています。個人的には「各通貨ペア」について言及した内容は、今でも参考にしていることのひとつです。
「主要通貨の要点と特徴」はFXの教科書のようなものです。その国の歴史、辿ってきた道が分かるので、これからもFXを続けたいと思う人は一度読んでおくのがおすすめです。内容的にはネットにも十分あると思います。
「FXトレーディング」で見る各通貨ペアに最適な取引タイム
FXは24時間取引できるのが特徴ですが、主婦なら朝から夕方にかけて、いわゆる会社員なら多くの人は夜からなど、トレードできる時間帯はトレーダごとに異なってきます。
「FXトレーディング」には自分がトレードできる時間帯の特性が記載されているので、それぞれの時間帯の値動きなどを見ておくのがおすすめです。もちろんこれらの多くを知っているという方も多いですが、どのくらい差があるかなど数字で確認することもできます。
それぞれの時間帯における「リスク許容型」と「リスク回避型」のトレーダにむけておすすめの通貨ペアも記載されています。時間帯がアメリカ東部時間を基準に書いてあるのでパッと見わかりづらいですが、日本時間でも書かれているので分からないことはないと思います。
僕は以前、「FXトレーディング」に書かれているボラティリティ(値動きの幅)を元に枚数を考えたりしていました。もちろん時代とともにボラティリティは変化するのであくまで参考にするという程度です。
利食いにしろ損切りにしろ一定の値幅で決済するというのは長期的には通じなく鳴る可能性が高いと思います。それは前述のように時代によってボラティリティが異なるからです。
「FXトレーディング」のテクニカル戦略
トレーダにとってもっとも気になることのひとつが「テクニカル戦略」ではないでしょうか。信者がとても多い「ダブルゼロでの逆張り」「ブレイクアウト」など、どれも見ておきたい内容と言えます。
ただ、検証結果が掲載されているわけではないので、手法を確認したら自分の手で検証することが大切です。
「ダブルゼロ」は僕も気になっています。実はまだ長期的に検証したことがないのでなんとも言えないのですが、短期的にはたしかに跳ね返っているように見えますよね。興味津々です。
まとめ
基本は押さえておきたい「FXトレーディング」、いかがでしたでしょうか。
書いてある内容は今も通用する内容ばかりです。一時期の手法などに惑わされることなく、基本を大切にすることが相場に長くいる秘訣なのかもしれません。
難点を言うならパンローリングの書籍はどれも高い…。図書館でも借りられるのでおすすめです。
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