【第35回】欧州の経済指標とユーロを使ったトレード


EU
いくつもの国が参加している欧州連合の統一通貨、ユーロ。イギリスは欧州連合に加盟していますが英ポンドを使っていたりと、必ずしも加盟国がユーロを使っているわけではないというのが少しややこしいところです。

ユーロは世界一の取引量があるユーロドルを形成する通貨として知られています。

牡牛に姿を変えたゼウスが姫であるエウローペー(エウロパ)を連れて走り回った地が「Europa」というのはなんとも素敵な神話ではないでしょうか。

今回は欧州の経済指標について見ていきたいと思います。

 

欧州の経済指標

欧州で注目度が大きい経済指標です。どうしてもいくつもの国の集合体であるため、ひとつひとつの経済指標は影響力が大きくありません。ただ、経済大国であるドイツのふたつの指標は大きな影響がある傾向があります。

  • ECB政策金利:第1金曜日の21時45分(夏時間20時45分)
  • 独・IFO景況指数:18時00分(夏時間17時00分)
  • 独・ZEW景況感調査:19時00分(夏時間18時00分)

ECB政策金利で相場が大きく動くこと多くありません。しかし、その後、22時30分(夏時間21時30分)からはじまるECB総裁による記者会見によって相場が大きく動くことが多くあります。一方的にユーロが買われたり売られたりすることもあれば、発言の内容によって乱高下するため、自動売買を停止させるトレーダもいるようです。

独・IFO景況指数と独・ZEW景況感調査はひとつの国の経済指標ですが、ときに相場を大きく動かす材料となります(どちらかと言うと前者の方が大きな影響力を持っているようです)。

 

ユーロを使ったトレード

ユーロを使ったトレードではユーロドルとユーロ円について見ていきます。ユーロドルは言わずとしれた世界でいちばん多く取引されている通貨ペアです。

余談ですが、取引量は多い順に、ユーロドル(EUR/USD)、ドル円(USD/JPY)、ポンドドル(GBP/USD)、ドルスイス(USD/CHF)となっています。

日本人にとってはドル円が親しみやすい通貨ペアとして知られていますが、世界を見るとまだまだユーロドルがいちばんです。そして、以外にもドルスイスが取引されていることが分かりました。ドルスイスはユーロドルの逆相関(逆の動きをする)になります。

2012年後半からはじまったアベノミクス相場以降は、ドル円相場にも注目が集まってきました。

ユーロ円もポンド円に近いボラティリティで、リスク許容型のトレーダに愛用される通貨ペアのひとつです。前述のアベノミクス相場以前の凪相場では、ドル円がまったくと言っていいほど動かなかったので、ユーロ円が多く取引されていました。

ユーロドル、ユーロ円ともに日本のFX会社ではスプレッドが狭い通貨ペアなので積極的に取引することが可能です。ただし、無闇に取引すると見えないコストになるスプレッドコストが響いてくるので注意します。

相場はそのときどきによって反応しやすい材料があり、中心になる通貨が異なります。2015年なら、(比較的収まった感はありますが)ギリシャの債務問題、中国の株価下落などが反応しやすい材料と言えます。

世界三大通貨にあたるドル、ユーロ、円を合わせた、ドル円、ユーロドル、ユーロ円の三つ巴でトレードし、大きく動いた通貨を利益にするという方法も考えられます。

アベノミクス相場では円安が主導しドル円とユーロ円などクロス円が大きく上昇しました。しかし、2015年からはドル円は上昇しましたが、どちらかというと「円安」ではなく「ドル高」の傾向があり、ユーロドルの下げに合わせてユーロ円も下落するといったところです。

 

チャートの後付け解説ではないトレード

よく見かけることですが、前日や前週のチャート画面を見ながら、「ここはユーロドルでトレードするのが良かったと思います」という類の解説をするものがあります。

たしかに、チャートができ上がったあとにはどの通貨ペアでトレードすると良かったかは一目瞭然ですが、大切なのはリアルタイムでどの通貨ペアで取引するかです。そして、往々にして「解説している方」はトレードをしていないという事実があります(職業の貴賎ではありません)。

もし、FX相場から利益を得ようとするなら、裁量でポチポチとするのも良いですが、あらかじめ仕掛けておいて、利益を得たもの、損失を出したもの、その差を差益とするのもおすすめです。

ユーロ主導で相場が動いたとき、ユーロドルやユーロ円は大きく動きますが、ドル円はほとんど動かないことがあります。ユーロ円に引きずられて動くか、ドルの動向に合わせて上下することもありますが、値幅で言うとおまけみたいなものです。

ブレイクアウトを狙った場合、値幅がないと損失になるため、コツコツと負けをためていきながらも、トレンドが発生したときに一気に返せるようなトレードが必要になります。

 

まとめ

【第35回】欧州の経済指標とユーロを使ったトレード、いかがでしたでしょうか。

ECB総裁の記者会見は常に多くのトレーダが注目し大きく相場が動きます。イベントでEAを停止させるというのも良いですが、大きく動くことも考えられるため平常運転もひとつの手です。どちらにしてもバックテストと同じ環境で運用できるようにしましょう。

「一気に返せる」などと書くと、男性特有の「一攫千金」を彷彿しますが、システムトレードの行為そのものは一攫千金とはほど遠い、コツコツしたものだと思います。


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しゃまらーしか

しゃまらーしか

ひょんなことからFXサイトを作ったシステムトレーダ。東京都港区在住。スプレッドシートを使って過去のチャートを分析するのが得意です。MT4を使ったEAの開発もしています。大好物の甘い物を求めて、今日もVivienne Westwoodのお洋服をこしらえて甘味処を探索しています。

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