【第45回】FXの損切りポイントはどう決める?


ハサミで100ドル紙幣を切る
FXの教科書を読むと必ず書いてある「損小利大」。これは相場をやっている人なら誰もが知っている損は早めに切って利は伸ばすというものです。

頭では分かっていても実践するのは意外と大変なもの。一度や二度、誰もが通る痛い目を見るという洗礼を受けてこそ身を以て知るのだと思います。

 

プロスペクト理論

人間は本能のままトレードするとプロスペクト理論というものが働き、利益は早めに確定し、損失は後回しにしてしまいます。そして、このプロスペクト理論に打ち勝たない限り、相場の世界で生き残ることはありません。

反対に言えば、人間は本能のままトレードをするとダメになってしまうということを理解し、いかに継続することができれば、トレードの世界で生き残れる確率はずっと高くなると言えそうです。

プロスペクト理論:不確実性下における意思決定モデルの一つ。選択の結果得られる利益もしくは被る損益および、それら確率が既知の状況下において、人がどのような選択をするか記述するモデルである。

 

プロスペクト理論を使った2つの例

有名なお話ですが、もう少し具体例をWikipediaから引用します。

質問1:あなたの目の前に、以下の二つの選択肢が提示されたものとする。

  • 選択肢A:100万円が無条件で手に入る。
  • 選択肢B:コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない。

この場合、期待値は両方とも100万円であるにもかかわらず、ほとんどの人が選択肢Aを選ぶことが分かっています(僕も選択肢Aを選びますが)。

質問2:あなたは200万円の負債を抱えているものとする。そのとき、同様に以下の二つの選択肢が提示されたものとする。

  • 選択肢A:無条件で負債が100万円減額され、負債総額が100万円となる。
  • 選択肢B:コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら負債総額は変わらない。

こちらも、期待値は両方とも-100万円であることは同じですが、先ほどとは反対に選択肢Bを選ぶことが多いとされています(僕はこちらは選択肢Aを選びます)。

以上の点から人は利益を優先して、損失を回避しようとする傾向があると言われます。

FXでいうとちょっとの利益で確定してしまうのに、損失が出てきたときは「いつか戻る」としてしまいがちであると言い換えることができます。これをやってはいつまでも利益は出せません。

損失を認めるには、注文したら(成行注文なら約定したら)、まず損失を限定させるためのロスカットの注文を入れる習慣をつけましょう。

 

損切りポイントはどこに置く?

損切りポイントはどこに置くかというのは、テクニカル派かファンダメンタルズ派か、もしくは順張り派か逆張り派か、裁量派かシステムトレード派かと同じくらいFXトレーダの間で頻繁に交わされる会話のひとつです。

テクニカルを見て決める人もいれば、単純に○pipsと決める人もいる、自分の資金から受け入れられる深さで設定する人もいます。

僕は一定のルールで「買い」で入った場合、「売り」で入るべきポイントで損切り、もしくはドテンすることが多いです(ドテンは手法のルールによります)。

また、○pipsと決めて損切りすることもありますが、これはあくまでスイスフランショックなどの事故に備えてするもので、基本的に発動することは多くありません。

テクニカルで損切りをする方も多いようですが、上手く機能するときもあれば、多くの人が損切りのポイントとして使う場所は目をつけられやすいというデメリットもあるようです。テクニカルを使った損切りに関しては僕も詳しく分からないので触れません。レジスタンスとかサポート、バンドがとか雲がとかだと思います。

 

損切りは相対的に決めた方が再現性が高い

EAを作っていて思うのは(自分のではなく受注して作る場合です)、利益確定や損切りをpipsで限定しすぎると再現性が低くなるということです。

過去の相場に合わせるように○pipsと設定するのは、値幅や値動きの性質を変える相場において不自然であると考えています。

たとえば、リーマンショックが起こって急激にボラティリティ(値動きの幅)が上昇した2008年の相場と、2015年のボラティリティを一緒に考えることはできません。2015年で大丈夫と思えるような損切りの値幅も2008年ではすぐに到達してしまうことが考えられます。

今のところは、一定のpips数で設定するよりは、高値や安値など相対的なものを使ったものや、一定期間の平均値などを使った方が効果が高い(利益が出やすい)と思っています。

あまり大きな声では言えませんが、多くの人に支持されているEA(自動売買ソフト)でもカーブフィッティングをし過ぎた結果、まったく通用しなくなるのが相場です。

 

まとめ

【第45回】FXの損切りポイントはどう決める? いかがでしたでしょうか。

相場は目まぐるしく変化するもの、だからこそ常に対応できるようなパラメータで損切り注文などをつけることが大切なのだと思います。

兎にも角にもあの頃の10pipsと今の10pipsは違う、そしてこれからの10pipsも違うということは覚えておくことが大切です。


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しゃまらーしか

しゃまらーしか

ひょんなことからFXサイトを作ったシステムトレーダ。東京都港区在住。スプレッドシートを使って過去のチャートを分析するのが得意です。MT4を使ったEAの開発もしています。大好物の甘い物を求めて、今日もVivienne Westwoodのお洋服をこしらえて甘味処を探索しています。

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