【第26回】FX相場は時間帯によって値動きが異なる


時計
FXは株と違って24時間トレードができます。これはメリットであると同時にデメリットにもなります。人間は24時間起きていることはできないため、常にチャート画面に張り付いているのは不可能です。

これはFXをして幸せになろうと思ったのに不幸になる典型的な例と言えます。「幸せ」の定義は人によって異なりますが(僕はガリガリ君が屋根のある部屋で食べられるくらいで大丈夫です)、きっとほとんどの人にとって長時間相場に張り付いていることは苦痛に感じるはずです。

【第18回】FX相場の時間帯の特徴をつかむ」ではFX相場の時間帯の特徴について見てきました。

今回は時間帯の特徴を踏まえた上でもう一歩先のトレードについて見ていきたいと思います。

 

24時間トレードするのはデメリット

24時間トレードするのはとてもではありませんが常人にはできません。一度マンションに引きこもってひたすらトレードをするのが苦痛に感じないというお話を聞いたことがあります。きっと「レインマン」のダスティン・ホフマンのような方(サヴァン症候群)なのかもしれません(パンツはKマートで買う)。

さて、このデメリットを解消するための解決策を考えてみます。

  • 相場を見られない時間帯に対応するため損切り注文を出す
  • 時間帯を限定してトレードする
  • 自動売買を取り入れる

損切り注文を入れておくというのは24時間云々以前のお話です。朝ポジションを持ってその日のうちにゆったり決済をするデイトレードや、数日ポジションを保有するスウィングトレードでは損切り注文を入れないのは死活問題になります。

時間帯を限定してトレードするというのは、FXの教科書などでもよく言われるものです。前述の記事にもあるように、東京はさておき、ロンドンやニューヨークのオープンに合わせたトレードは値動きが大きく、デイトレーダ御用達の時間帯になると思います。

自動売買はとても便利なトレード方法です。常に相場に張り付いている必要がなく、損益に振り回される必要もないので手法の能力を発揮しやすいのが特徴です。

実際はちょっとした損益に振り回されてすぐに手法をゴミ箱に入れてしまうトレーダが大半のようですが、それではドローダウンやEAを購入する費用がかさんでいつまで経っても「利益を得る」とは程遠いことになってしまいます。

 

相場が動く時間帯を数字で見る

ロンドンやニューヨークのオープンする時間帯は値動きが大きくだましがありながらもブレイクアウトを多用しているトレーダの方も多いと思います。逆にこの時間帯を避けてちびちびとレンジトレードが好きという方もいるかと思います(「ちびちび」は悪い意味ではありません)。

しかし、この「動く」というのは曖昧なもので、何に対してどれだけ動いているのかというのは意外と気にされていなかったりします。

「損失と利益の比を1:2にしているけれどなかなか利益が出ない」

というお問い合わせをしばしばいただきます。その場合、勝率が影響している(?)というのも考えられますが、損益比が1:2でトレードした場合、勝率は33.4%以上あれば利益が出る計算になるため、おそらく別の原因が考えられます。

損失と利益の比が1:2以上であることというのは、損失と利益どちらかを基準に考えていることになります。裁量でライン()をたくさん引いてトレードされる方は、山や谷に損切りを置いてとか、次の山や谷を利益にといったところでしょうか。

しかし、その通貨ペアのボラティリティ(値動きの大きさ=値幅)、その時間帯の値動きの大きさ、そして現在の相場のボラティリティということを考えていない人がとても多くいるような気がします(気です)。

 

各通貨ペアの各時間帯のボラティリティ

通貨ペア9〜18時16〜2時22〜7時22〜2時16〜18時
ドル円7879695829
ユーロドル5187786532
ポンド円1121451199960
豪ドル円5563564726

ここで各通貨ペアの各時間帯のボラティリティをご紹介します。引用したのは以前ご紹介したキャシー・リーエン著「FXトレーディング」のデータです。

基本は押さえておきたい「FXトレーディング」

参考までに本書の中で定義されている各時間帯(日本時間)を記載します。

  • アジアタイム:9〜18時
  • 欧州タイム:16〜2時
  • 米国タイム:22〜7時
  • 米国と欧州の重複タイム:22〜2時
  • 欧州とアジアの重複タイム:16〜18時

通貨ペアや時間帯によってこれだけの差があるというのは驚きますよね。通貨ペアや時間帯はデータを引用したものなので、ユーロ円がないとか16〜18時の意義などはご了承ください。

「これはデータが古い」と思う方もいると思います。その通りです。役に立たないことはありませんが(少なくとも参考にはなります)、直近のデータではなく、本書が出版された時期を見ると2006年前後のデータだと思われます。

しかし、多くのトレーダがやろうとしていることややっていることはいつの時代も同じ値幅を使ったトレードをしているのです。もう少し具体的に書くと、損切りの幅をpipsで固定しようとします。そして、一定の期間が過ぎるとまた新しいpipsを設定します。

先ほど「現在の相場」と書きましたが、「現在の相場」とは「現在の相場に合わせた手法()を使うことが大切」というものではありません。そんな頻繁に手法を入れ替えていたのではきっと身が持ちません(この場合はお金です)。

きっとトレンド相場ならトレンド用、レンジ相場ならレンジ用なのだと思いますが、きっとシステムを配信しているFX会社の養分になってしまいます。現時点で捨てて良いのは「ユーロペッグ」を利用したEUR/CHFの手法くらいではないでしょうか。

「現在の相場」とは具体的に「直近の相場のボラティリティ」です。たとえば「○pipsで損切り」と固定してある手法の場合、それが日足で200pips、週足で300pipsくらい余裕があるものならともかく、10pipsや20pipsなど浅い損切り幅の場合、時代とともに使えるかどうかが異なってきます(きっと難しいかと)。

2012年のアベノミクス前のドル円のレンジ相場において4pipsで損切りというのは十分通用していたときもありますが(1日10pipsくらいしか動かなかったですものね)、現在のボラティリティにおいて浅い損切り幅を置いては損切り貧乏になってしまいます。

いつから現在の相場とするのが良いのか分からないというのもあります。もちろん今日からボラティリティを10pipsを50pipsにしようと突然相場が変わるわけではありません。

直近の相場の値動きとは直近の値動きの平均を求めることで計算することができます。例えば直近20日間の【(高値-安値)の幅の平均】を計算しておくと損切りの目安になったり、またはこれだけ動いたから逆に動くという逆張りの目安にも使うことができます。

2008年のリーマンショック時のボラティリティと2014年をいきなり比べることはナンセンス、黒船が到来して判を押して安政の大獄で鎮圧して桜田門外で斬られるのとは異なるのですから、時代は少しずつ変わりそして気づけば大きく変わっていたというのが近いかもしれません。

 

まとめ

【第26回】FX相場は時間帯によって値動きが異なる、いかがでしたでしょうか。

時間帯の値動きといった場合、あいまいな言葉で片付けるのではなくきちんと数字で評価するというのはとても大切なことです。

少しずつ形を変えていく相場の中で「直近のデータ」を飲み込んで柔軟に対応するという姿勢を身につければ、きっと相場を乗り越える武器になると思います。


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しゃまらーしか

しゃまらーしか

ひょんなことからFXサイトを作ったシステムトレーダ。東京都港区在住。スプレッドシートを使って過去のチャートを分析するのが得意です。MT4を使ったEAの開発もしています。大好物の甘い物を求めて、今日もVivienne Westwoodのお洋服をこしらえて甘味処を探索しています。

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