人が作ったEAを使うだけでなく、自分だけのEA(自動売買プログラム)を作ってみたいと思ったとき、他人に作成代行する、自分で作るという方法が考えられます。
作成代行したときは他人の時間を使うために費用が発生しますが(無料の場合もありますが)、知識としては蓄積されるものはありません。
自分で作ろうと思ったときは無料ですが、プログラミングの勉強をする必要があります。
サラッと書いてしまいましたが、まったくプログラムというものに触れていない人がプログラムを触るというのは容易なことではありません。もちろん容易ではないだけで不可能ではありません(不可能ではないけれど容易ではないところにお金が発生するものです)。
EAを作る本はほかにもいくつかありますし、インターネットを探せば様々な情報がありますが、「iCustomで変幻自在のメタトレーダー」がいちばん分かりやすい言葉で書かれていると思います。
FXトレーダがプログラミングを知る1冊として、本書を見ていきましょう。
EAを作るための本
FXの書籍は山のように販売されています。その中でMT4(メタトレーダー4)に限定するとだいぶ数が絞られます。MT4関連の書籍というのはMT4のカスタマイズや活用法について書かれているのが特徴です。
さらにMT4の中でもEAを作るための本というと数えるほどしかありません。おそらくもっとも有名なのは豊嶋久道氏の「FXメタトレーダー入門」「FXメタトレーダー実践プログラミング」ではないでしょうか。
上記2冊はEAを作るためには通っておきたい著作には変わりませんが、プログラミングを知らない方が読むには少し抵抗があるのも事実です。「入門」もチャートソフトとしての使い方は入門ですが、プログラミングの章に入ると、C言語などに触れたことがない人には難しく感じるはずです。
iCustomで変幻自在のメタトレーダー
今回ご紹介する「iCustomで変幻自在のメタトレーダー」は、プログラミングを知る上で、プログラムとはこのようになっているというのがとても分かりやすく書いてあります。
「iCustomで変幻自在のメタトレーダー」の著者は島崎トーソンさんという方です。初心者がEAを作るという本作が好評だったために、続編の「たすFX ~脱・受け売りのトレード戦略~」も発売されました。
続編はより具体的な内容ですが(続けて読むのをおすすめします)、まずはなんといってもプログラムとはどういうものかを知るために「iCustomで変幻自在のメタトレーダー」を読む必要があります。
「iCustomで変幻自在のメタトレーダー」の内容
本書の内容について目次をご紹介します。
第1章:メタトレーダーに慣れよう
第2章:プログラムを始めてみよう
第3章:EA(自動売買プログラム)作成に必要は3要素を知ろう!
第4章:「エントリー」と「エグジット」の定型パターンを知ろう!
第5章:iCustom関数で何ができるのか?
第6章:iCustom関数の使い方
第7章:iCustom関数 実践編
第8章:EAが完成したら
第9章:EAが完成したあなたへのプレゼント
本書はメタトレーダーがどのようなチャートソフトなのかの説明後、すぐにプログラムについての話題に入ります。
おそらくプログラミングをしたことがない方にとって躓くのは「宣言」「変数」といった独特の言い回しではないでしょうか。
また、日本人にとってプログラミングの壁を高くするもののひとつに言語があります。通常、すべての言語は英語で書かれているため、プログラム上で書かれている文法を理解する前に、日本語だとどういう意味になるのか考える必要があります。
書籍の紹介なので、ここではプログラミングについての解説は割愛しますが、理系の人が書いただろう特有の言い回しではなく、誰もが分かりやすい言葉で解説されています。
iCustom関数とは?
目次を読んでいて「iCustom関数」という言葉が気になったと思います。
本書の目的は、難しい自動売買のプログラムを書くのはとりあえずやめて、簡単にできるものは簡単にしましょうというものです。
そこに出てくるのがiCustom関数と呼ばれるものです。
iCustom関数とは移動平均線やボリンジャーバンド、RSIといったテクニカル指標のプログラムをわずか1行で表現できる魔法の関数と言われます(表現はともかく)。
とは言え、本書の目的としてはiCustomもそうですが、まずはEAというものがどうのよう仕組みになっているのか、どのようにプログラムすると動作するのかを知ることが大切です。
まとめ
プログラミング初心者ならまずは「iCustomで変幻自在のメタトレーダー」、いかがでしたでしょうか。
本書はプログラミングをしたことがない方がプログラミングとはどのようなものなのか知るのに最適な一冊となっています。
本書を読破したら続編、そして本格的なMT4関連の著作を読み理解を深めるのをおすすめします。
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