岐阜・十六銀行春日井支店長代理、280万円横領「FX取引のため」


横領
銀行支店長代理、業務上横領の疑い「FX取引に使った」

岐阜県警は15日、十六銀行(本店・岐阜市)の春日井支店(愛知県)の元支店長代理、田中健二容疑者(45)=岐阜市六条大溝=を業務上横領の疑いで逮捕し、発表した。「FX(外国為替証拠金取引)に使った」と容疑を認めているという。

県警によると、田中容疑者は同行関ケ原支店で渉外の担当をしていた2011年3月17日と8月9日、岐阜県関ケ原町の会社経営の男性(74)に投資信託を勧めるなどして、男性の預金通帳などを入手。出納担当の行員に払い戻し手続きをさせて、計約280万円を横領した疑いがある。

十六銀行は今年7月、田中容疑者が約4500万円を着服したとして懲戒解雇処分にし、9月に県警に被害届を出していた。

(朝日新聞「銀行支店長代理、業務上横領の疑い「FX取引に使った」」)

岐阜の十六銀行春日井支店の店長代理が顧客の預金通帳を使って280万円を横領した容疑で逮捕されました。

横領した理由は「FXに使った」。

FXに使った…

FXに使った…

FXに使った…

またひとつ、FXの印象が悪くなる事件が起きてしまいました。

ただ、個人でFXを生業とする分には、印象が悪くなろうが、新規参入者が減ろうが知ったことではありません。しかし、事業としてFXをやろうものなら(セミナなど)、FXの印象が悪くなるというのはたまったものではなさそうです。

 

十六銀行横領事件を追う

ここで今回の事件を追ってみましょう。

その前に「十六銀行」って読み慣れない名前ですよね。そのまま「じゅうろくぎんこう」と読みます。

「十六夜(いざよい)」「五月雨(さみだれ)」「四月一日(わたぬき)」などがあふれる中では思わず勘ぐってしまいます(「四月一日」はもちろん「xxxHOLiC」で覚えました)。

xxxHOLiC

(出典:http://prtimes.jp)

気を取り直して参りましょう。

十六銀行は岐阜県にある地方銀行です。

十六銀行

岐阜県下では預金・貸金残高は市中金融機関中3割前後を占めるリーディングバンクであり、東海3県下に本店を置く地方銀行・第二地銀・信用金庫では最大規模である。

(Wikipediaより引用)

 

時系列を整理する

記事を見ても分かるように、今回の横領事件はひとつだけではなく、過去には4500万円を着服したりと穏やかではない背景があります。

そこで時系列を整理してみましょう。

2011年3月17日・8月9日、十六銀行関ヶ原支店にて横領

十六銀行関ヶ原支店

十六銀行関ヶ原支店で74歳の男性の預金通帳を入手し280万円を横領。これが今回の横領事件の容疑になっています。

その後、岐阜県中津川支店、愛知県春日井支店時代

十六銀行中津川支店

同様の手口で顧客の預金を着服する行為を繰り返していたとみられる。

(毎日新聞「業務上横領:「FXに使った」元十六銀支店長代理を逮捕」)

その後、岐阜県中津川(なかつがわ)支店、愛知県春日井支店でも同じ手口で預金を着服する行為があったと見られています。

2015年6月、不正が発覚

顧客から同行に問い合わせがあり、不正が発覚。

2015年6月、いよいよ事件が急展開を迎えます。顧客から十六銀行に問い合わせがあり、不正(横領)が発覚しました。その金額4500万円也。

2015年7月、懲戒解雇

4500万円もの横領により、十六銀行は容疑者を懲戒解雇しました。

2015年7月?〜10月? 生命保険会社に勤務

上の毎日新聞のソースにあったのですが、懲戒解雇処分を受けたあと、生命保険会社に勤務していたことが分かりました。

この時点で着服していたうち240万円は弁済したようです。

残り4260万円は…?

2015年9月、十六銀行が岐阜県警に被害届を提出

返せばいい!?

十六銀行は岐阜県警に被害届を提出しました。

2015年10月15日、逮捕

捜査を続けた結果、2015年10月15日、先の280万円の横領を材料に容疑者が逮捕されました。

 

事件の背景にあるFX

かの炎上ブロガーことイケダハヤトさんは著作「なぜ僕は「炎上」を恐れないのか」の中で以下のように述べています。

何か許せない相手がいるときは、その個人を直接攻撃することはやめましょう。そうではなく、その相手が「なぜそういう行為に手を出してしまったのか」を考え、そこにあるシステム的な問題を観察しましょう。

とどのつまり、女子高生のお尻を触ったサラリーマンを責めるのではなく、なぜ女子高生のお尻に手を出してしまったのかを考え、そこにある毎朝の満員電車と続く会社でのストレスを観察するということになります。

今回の事件で言えば、横領した容疑者を責めるのではなく、なぜ横領してしまったのかを考える必要があります(なんとか真面目に戻しました)。

「FXに使った」

この一言から、FXをはじめるために使ったというより、おそらくは(FXの)追証に使ったと考えるのが自然です。

「よし、横領してFXはじめっか」

とはなりにくいと思います。

「やばいよ、やばいよ、損切りやばいよ」

となって

「そうだ、あの人の預金通帳を使って…(閃いた)」

となるでしょう。

そうすると、理由は「FXの追証(追加証拠金)に使った」となり、その裏にあるシステムを考えることになります。

  • 簡単に利益が出そうな広告を貼っているFX会社
  • 高額な料金を払えば勝てると思い込ませる商材屋
  • 一攫千金を夢見たくなる厳しい現実
  • お金があれば楽しめる華やかな世界

これらがあるからいけないんだ、そうだ、僕らは「Imagine」の世界に飛び立とうと、F→G→C→Eのコードをかき鳴らすのです。

 

FXの現実は厳しい

いくら「Imagine」を大声で歌ったところで、現実は変わりません。そして、FXの世界は厳しいという現実も変わらないのです。

FX会社が提案する新しいシステムすら疑ってかかるように、藁をも掴む思いになったときに甘い手を差し出してくる商材屋には目もくれず、一攫千金を夢見たくなる厳しい現実(といっても仮にも銀行マン…)。

お金がないなら生活水準を下げるなりすれば、セーフティネットの充実した先進国の日本では、飢え死にすることはまずありません。

FXで利益を出すというのは資金10万円に対して毎月3万円が入るほど甘い世界ではなく、100万円をどうにか使って年間で20万円入って御の字という世界です(もちろんリスク許容度によります)。

ホリエモンこと堀江貴文さんは、50万円や100万円程度の資金量ならFXなどではなく、起業した方がいいと断言しています(正確な表現を忘れてしまいました)。

あくまで個人的な考えですが、少額資金でもFXなど投機の腕を上げるという面では実践を続けることは大切だと思います。

しかし、FXをはじめた大半の人が持つ当初の動機である「お金を稼ぐこと」を考えるなら、FXをしながら体は別に働くというのもおすすめです。

 

まとめ

岐阜・十六銀行春日井支店長代理、280万円横領「FX取引のため」、いかがでしたでしょうか。

甘い蜜吸ったツケが回ってくるのは仕方のないことです。FXの商材屋さんを見ていても、一時の誘惑に負けて阿漕なことを続けた結果、火の車になってきているのをポツポツ見かけます。

「正直者が馬鹿を見るのは、その正直者が馬鹿だった場合だけだ」

すべてはこの言葉なのかもしれません。


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しゃまらーしか

しゃまらーしか

ひょんなことからFXサイトを作ったシステムトレーダ。東京都港区在住。スプレッドシートを使って過去のチャートを分析するのが得意です。MT4を使ったEAの開発もしています。大好物の甘い物を求めて、今日もVivienne Westwoodのお洋服をこしらえて甘味処を探索しています。

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