
昨日(2014年10月31日)、日銀の金融政策決定会合で追加の金融政策が決まり、1ドル112円と6年10か月ぶりの安値を更新しました。ダウも最高値を更新と相場はまさにお祭り状態。
FXトレーダーが知りたいのは、「金融政策がどんな内容だったか」ということより、「このお祭り相場からどうやって利益を得るか」ではないでしょうか。
中にはファンダメンタルズを知りたいという方もいると思いますが、「相場から利益を得る」こととは趣旨が異なるので省きます。
語弊があるといけないので補足しておくと、経済を知る上で日銀の政策を知ることは大切だと思います。
ただ、FX相場から短期売買で利益を得ることに限っては、ファンダメンタルズどうこう言うのは違う気がしてならないのです。
ここでは黒田砲を迎え撃つシステムトレードを見ていきたいと思います。
2014年10月31日の黒田砲による値動き
追加の金融政策が決まったことで外国為替相場は1ドル112円と安値をつけました。FXのチャートを見ていると高値をつけているので、ニュースで使う「円の価値が下落した」という言葉に違和感を覚える人も多いと思います。
ニュースによっては、FXをやる人が見慣れているチャートとは逆のチャートになっていることもありますよね。Y軸の上が円高で下が円安でと―。
ここからはFXモードに切り替えて各通貨ペアは以下のような値動きをしました(カッコ内は始値から終値までの値幅です)。
- ドル円:109.21→112.30(+309pips)
- ユーロ円:137.74→140.71(+297pips)
- ポンド円:174.77→179.65(+488pips)
- 豪ドル円:96.45→98.80(+235pips)
- ユーロドル:1.2611→1.2529(+82pips)
- ポンドドル:1.5999→1.5996(+3pips)
- 豪ドルドル:0.8831→0.8798(+33pips)
見て分かる通り、円主導で動いた相場のためドル円をはじめクロス円相場は大きく上昇しました。反対に円を絡まないドルストレートの通貨ペアはほとんど動かなかったことが分かります。
これだけお祭り状態だったにもかかわらず、ポンドドルのブレなさはすごいです。たまにポンドが材料になると、ポンド円やポンドドルは一方向にトレンドを作って暴れ馬のようになりますが―。
黒田砲があったときのトレード
上記の値動きから昨日はクロス円でトレードするのが、最も利益を獲得できる方法だったと言えます。もちろんこれは後付け論なので、実際はいつ何が起きても大丈夫なように「常に準備しておくこと」が大切です。
さらに言うなら、「準備しておく」とは注文を仕掛けておくなり、EA(自動売買ソフト)を使って大きな値動きがあったときにトレードできるようにしておきます。
ここで手前味噌ではありますが、僕が使っている手法の中から日中足でトレードするものの成績を書き出したいと思います。
- ドル円:+230pips
- ユーロ円:+211pips
- ポンド円:+385pips
- ユーロドル:+44pips
- ポンドドル:-90pips
やはり円絡みの通貨ペアでは大きく利益を取り、値動きが少ないドルストレートでは利益を得ていないことが分かります。方向感のないポンドドルにいたっては往復ビンタです…。
それでもどの通貨ペアが大きく動くかは分からないため、複数の通貨ペアを扱うようにしておくと取りこぼしが少なくなります。
難しいのは利益に対して損失が大きい通貨ペアです。今回のようにたまにドカンと取れても、普段のコツコツの負けを取り戻せない場合はトレードすべきではないと思います。
たとえば、日中足の場合、スイス円などはそう感じます。
日足くらいまで長い期間になるとどの通貨ペアでもやりやすそうです(ユーロポンドやユーロスイスはやりにくいような…)。
まとめ
相場はいつ何が起きてもおかしくありません。市場の反応は相対的なものなので、どんなに大きなことでも、織り込み済みだったり他に材料があるときは反応しません。逆に特に何かあるわけではないときにちょっとしたことがあると、大きく動くことがしばしばあります。
ギャンブルのようにトレードして興奮を得るならともかく、相場から利益を得るにはきちんとルールを作ってトレードすることが大切なのだと思ったのでした。