同じ手法の「買い」と「売り」


「買い」と「売り」
トレーダの中には「買い」専門の方だったり、「売り」専門の方がいます。

たしかにおなじトレンド相場と言っても、上昇トレンドのときにはゆっくり上がって、下降トレンドのときには一気に下がるなど特徴が異なるというのはよく聞くお話です。

年に一度や二度あると言われるパニック相場のときなどもそうだと思います。

ひとつの手法を分解してみると、実は「買い」しか優位性がなかった、「売り」なら上手に機能する、そんな手法もあるかもしれません。

今回は同じ手法の「買い」と「売り」の違いについて見ていきます。

 

豪ドル円を使った単純なロジックの成績

下の画像は、豪ドル円(AUD/JPY)を使ったごく単純なロジックの成績です。

14年間で+3,312pipsというもの。

たしかに利益は出ているので良いかもしれませんが、ところどころ大きなドローダウンが気になります。実際にトレードをしていて資金の目減りが続くと、平常心を保つのは難しそうです。

ほとんどの方が中盤あたりのドローダウンで耐えきれなくなり投げ出してしまうと思います。「ほとんどの方」などと他人事のように書いてしまいましたが、僕が運用しても同じです。

ただ、この手法はボリンジャーバンドやRSIといったテクニカル指標はまったく使っていないので、それでも右肩上がりの曲線になるというのはすごいことかもしれません。

 

同じ手法を「買い」と「売り」に分けてみる

今度は先ほどと同じ手法を「買い」と「売り」、つまり「ロング」と「ショート」に分けてみました。

驚くことにロングでは+5,344pipsもの利益が出ているのに対して、ショートでは-2,032pipsもの損失を出していることが分かりました。これは「ショートが足を引っ張っている」とも言い換えることができます。

「買い」に優位性があるのは、オーストラリアドルやニュージーランドドル、カナダドルといった高金利通貨と、スイスフランや日本円などの低金利通貨との間で特に多く見られる現象です。

「買い」と「売り」で大きな差が出るのは、ファンダメンタルズが影響してくるような日足や週足など比較的長い時間足を使った手法のときが多く、5分足や1時間足など比較的短い足では効果が少ないと思うのでご了承ください。

また、一時的な一方向のトレンド相場を見て、「買い」だけしかエントリしない、「売り」だけエントリしないというのとは異なります。

 

「買い」だけにした結果がこちらです

最後にご紹介するのは、先ほどのグラフを見やすくするために、ロングだけを表示したグラフです。

14年間で+5,344pipsという成績に生まれ変わりました。

必要以上のカーブフィッティングは行っていません。行ったのはショートをしないということだけです。

もう一度書きますが、なんとなく上昇トレンドだから「ロング」だけしかエントリしない、下降トレンドだから「ショート」だけしかエントリしないというのとは異なります。

相場に合わせて裁量を加えるほど、システムトレードはバックテストの再現性が乏しくなってしまいます。あくまで手法を作る段階で「買い」のみ、「売り」のみに決めるということが大切です。

裁量を加えることが悪いと言っているわけではありません。本来、裁量を取り入れないシステムにあとから裁量を取り入れたりするのが良くないと考えています。

調子が悪くなってきたEAを止めたり、また動かしてみたりを繰り返しているとまったく利益が増えないのとおなじです。ルール通りに運用するというのは意外と難しいのかもしれません。

 

「買い」だけならスワップ金利も

2.5%という高金利通貨のため、ロングポジションだと1日あたり80円ほどのスワップ金利を得ることもできます(2014年10月現在)。

何より嬉しいのは、スワップ狙い特有の「塩漬け」ポジションがないということです。

一時期流行っていたトラリピでは、買いか売り片方に比重が寄ってしまうことが多くあります。片方だけのポジションを持つことも可能ですが、相場の見通しが外れたときは…。

現在は円安ブームなので「買い」が大ヒット中だと思いますが、しかし…。最近は思惑と異なる方向に相場が動いた場合は損切りできるようにもなっているようです。

夢を壊すつもりはありませんが、損切りをせずに相場を攻略するというのはとても大変だと思います。レートを見る限り、南アフリカランドならロングだけの片張り(片方の方向にしかポジションを持たないこと)で行けるかもしれません。

 

まとめ

同じ手法の「買い」と「売り」、いかがでしたでしょうか。

ひとつの手法でも「買い」、「売り」に分けて検証してみるのも大切だと分かりました。

スワップ金利を目的とした場合は、ひとつの通貨ペアに集中させるのではなく、豪ドル、NZドル、加ドルなどいくつかの通貨に分散した方がリスクが分散されます。

「買い」と「売り」に分けて検証すると今まで見えなかったことが分かるかもしれません。参考になれば幸いです。


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しゃまらーしか

しゃまらーしか

ひょんなことからFXサイトを作ったシステムトレーダ。東京都港区在住。スプレッドシートを使って過去のチャートを分析するのが得意です。MT4を使ったEAの開発もしています。大好物の甘い物を求めて、今日もVivienne Westwoodのお洋服をこしらえて甘味処を探索しています。

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