人はダーツを投げるサルに負ける「シュワッガーのマーケット教室」


シュワッガーのマーケット教室
「なぜ人はダーツを投げるサルに投資の成績で勝てないのか」というここ10年ほど見る「なぜ〜のか」というコピーのついた本作。もちろん翻訳されたものなので、今の日本の流行に合わせたものだと思います。

ウケが良いというのは分かるのですが、一度ウケが良いことが分かると右を向いても「なぜ」、左を向いても「なぜ」、見出しには「○○な理由」、具体的な数字を入れた「9つの理由」など効果的だと思われるものが多すぎて埋もれるという皮肉な結果になっています。

とりわけアルファブロガに影響を受けたのだろう「はてな」で頻繁に見られる意識高い系の方々においては多用乱用酔いしれ御免に陥っている気がするようなしないようなきっと気のせいのような。

そんな中発売された「シュワッガーのマーケット教室」。聖杯が載っているわけではありませんが、「マーケットの常識」を信じて多くの間違いを犯すとされる投資家にぴったりの作品になっています。

 

ジャック・D・シュワッガー

ジャック・D・シュワッガーの名前を聞いてピンときた方はひょっとしたら投資本、もしくは本が好きな方かと思います。え、え、え、何かのテクニカルを作った人?と思ってしまう気持ちもよく分かります。

ジョン・ボリンジャー、ジョゼフ・E・グランビル、なんとなくこの括りに入れたくなりますよね(ならないか)。

ジャック・D・シュワッガーは先物とヘッジファンド業界の専門家とされており「マーケットの魔術師」などの著者として知られています。

損失を出していないCTA(商品投資顧問業者)の顧客口座の大半が損失を出している?

え?なんで?もう食いつきまくりでございます。もちろん手数料で負けるというケチくさいものではありません(←自分で書いたわけでもないのに偉そう)ということで少しばかり中身を見ていきたいと思います。

 

シュワッガーのマーケット教室

「シュワッガーのマーケット教室」は全21章から構成されています。

  • 第1部 市場とリターンとリスク
  • 第2部 投資対象としてのヘッジファンド
  • 第3部 重要なのはポートフォリオ

第2部のヘッジファンドはそこまで直接影響があるわけではないのですが、第1部と第3部だけはきちんと読んでおいて損のない内容となっています。

各章には「専門家のアドバイス」や「相関係数」「マネージドアカウント」「分散投資」など聞いたことがある内容もあれば、「過去のリターンの圧力」というちょっと想像しにくいタイトルまで様々。

「専門家のアドバイス」は例のアレでございます…。

 

専門家のアドバイス

投資における誤解:一般投資家は金融の専門家たちの推奨に従えば、利益を得られる。

現実:専門家のアドバイスは驚くべきことに、一貫してコイン投げより劣る。実は、この評価でさえ寛大にすぎる。お察しのとおり、それはチンパンジーが株価の載ったページにダーツを投げるのと変わらないどころか、チンパンジーのほうが優れているという意味なのだ!

こういうのって気持ち良いですよね。サーバに画鋲で止めておきたいほどです。昨日のチャートに怪しげなテクニカルを表示して尤もらしいことを書いているほど害なものはありません。今すぐにブラウザをちゃぶ台返ししてしまいましょう。

 

利益を出しているのに損をする!?

さて、前述の「損失を出していないCTA(商品投資顧問業者)の顧客口座の大半が損失を出している」ということを見ていきたいと思います。

まず、CTAというのが分かりにくいのでもう少し噛み砕いてみましょう。

CTAとは当局の管理下で先物市場でトレードを行うマネージャたちの正式名称

より分かりにくくなりました。FXをやっている人に向かって先物とは何事です、です。顧客がお金を預けて実際にトレードしてくれる人たちと捉えるのが良いと思います。ことシステムトレードに関して言うと実際にトレードする「EA」だと思うと想像しやすいかもしれません。

さて、そんなEAが利益を出しているのにもかかわらず損失を出していると聞くとものすごく他人ごとではない、そして身を以って感じるという方もいるかと思います。

この理由は至ってシンプル、「投資をするときと引き揚げるときのタイミングの悪さ」と書かれています。

 

最大の敵は、自分

一般的にEAなどの商品というのは「最近これだけ成績が良い」「直近の成績95%」というのを売りにして販売されますが、実際はパフォーマンスが上がったあとは下がるというのは信じたくありませんが現実です。

その手法が過剰な最適化をされていない場合に限り、パフォーマンスが落ちてきたときこそ投資を開始する絶好のチャンスになります。これはかなりおかしいことに聞こえますが、「相場で利益を得られる人たちは少数派である」という事実を考えることも大切です。

投資家の最大の敵は、自分なのだ。ほとんどの投資家が自然な直観に従うとき、不思議なほど間違ったことを続けて選択してしまう。

僕は新しい手法を作って使うときは、最初に架空の取引(響きがよろしくない)を行い、その手法が勝率50%ほどなら20%くらいまで落ちるのを待ってから実弾を入れるようにしています。このようにすることで離陸をスムーズにすることができます。

あり得ないかもしれませんが、調子が良いと噂のEAを買っては成績が落ちたからと言ってこれから成績が良くなるだろうものを捨てる方がよほどあり得ないかと(もっとも調子が良くなるかはロジックが分からない以上、分析しようがありませんが)。

 

まとめ

人はダーツを投げるサルに負ける「シュワッガーのマーケット教室」、いかがでしたでしょうか。

「シュワッガーのマーケット教室」からひとつの例を取り出してご紹介してきました。

場所によっては図書館にも置いてあると思うので機会があればぜひ読んでみると面白いかもしれません。

シュワッガーのマーケット教室 ――なぜ人はダーツを投げるサルに投資の成績で勝てないのか (ウィザードブックシリーズ)


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しゃまらーしか

しゃまらーしか

ひょんなことからFXサイトを作ったシステムトレーダ。東京都港区在住。スプレッドシートを使って過去のチャートを分析するのが得意です。MT4を使ったEAの開発もしています。大好物の甘い物を求めて、今日もVivienne Westwoodのお洋服をこしらえて甘味処を探索しています。

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