個人トレーダに注目した「FXの小鬼たち」。普段陽の目を見ることが少ないトレーダもこうして本になると少しはポジションも上がるかもしれません。
その影でそれでもなお陽の目を見ることもなく日々暗い部屋でトレードを続けているトレーダも数多くいると思いますが(あっ)
「90%のトレーダが損している」と言われる相場の世界で、ヘッジファンドのマネージャでもなければ、大手銀行のディーラでもない個人トレーダのインタビューを収録した作品です。
ホームトレーダとして長期間相場から利益を出し続けていきたいと思っている方なら一度は読んでおきたい「FXの小鬼たち」。
あのロブ・ブッカーのインタビューも収録されているので興味深く中身を覗いていきましょう。
「FXの小鬼たち」の内容
「FXの小鬼」たちは、第1章に「トレーディングの極意」が書かれており、第2章以降は12人の個人トレーダのインタビューが掲載されています。
トレーディングの極意とは、
- 自分自身を知り、自分のトレードを知る
- 復讐は絶対に割に合わない
- 冷静さを失わず、必ずストップを置く
- 天井と底はあとでしか分からない
- ポジションの最後の25%が全体的な利益に大きく貢献する
など一部を抜粋しても「うんうん」と納得できることばかり。読んだのはずいぶん前のことですが、今でもふと手にすることがある作品です。時代はすっかりKindleになったため手にするという実感は少なくなりましたが、定価が高いパンローリングの本が安く手に入る電子書籍が浸透したのは嬉しく思います。
そういえばどのフォーマットが浸透するのかと思っていましたが、このままだと小売最大手のKindle一択なのでしょうか。楽天のkoboは国内では需要があるのかもしれません。
アップルのiBooksはすっかりなかったことになっているような気がします。「iBook」(「s」が付かない)と言うとノートパソコンを思い出す方は昔からのアップルユーザだと思います。
FXの小鬼たち:ロブ・ブッカー
相も変わらず当サイトでも取り上げることの多いロブ・ブッカー氏のインタビューも掲載されています。
「本業はバックテスター」と言われるロブ・ブッカー氏は、とにかく守りのトレードをするのだそう。ひとつの手法を最低でも1000回はバックテストをするというロブ・ブッカー氏。
本書が発売されたのは2009年ということで、おそらく使われている手法なりだいぶ時差はありますが、根底にある検証をするという作業はとても大切だと思います。
ロブブッカー氏の手法については当サイトでも取り上げているので、ご参照ください。
巷にある信者というほどではないのですが、僕がルールを決めてトレードする「システムトレード」というものに興味を持ったきっかけになったのは、ロブ・ブッカー氏の影響が大きいと思います。
それから色々と検証して「ダメだ」とか「ダメだ」とか打ちひしがれてようやくトレードができるようになって現在に至ります(私事で失礼しました)。
FXの小鬼たち:フーサイン・ハーネカー
「1日10pipsをかたくなに守り、無一文からミリオネアになったトレーダ」として知られるフーサイン・ハーネカー。
一時期よく書かれていた「1日10ピップス」というのは多くのトレーダを魅了してきました。
しかし、どんなに利益が出ても「1日10ピップス」というのは、回数を重ねる度に大数の法則がジワジワと効いてくるため、損小利大より難しいイメージがあります(否定しているわけではありません)。
バイナリーオプションのように勝っても負けてもこれだけ(決まった利益と損失だけ)という手法を使うときは、いつも以上に勝率に気を使う必要が出てきます。
利益が出なくなってきたトレーダは必ずやこのスタイルに憧れますが、指値を意識するほど勝率が大きく影響してくることは見落とされがちです。
FXの小鬼たち:ポール・ウィレット
「シンプルな正攻法で勝ち抜くトレーダ」として知られるポール・ウィレット。
指数先物市場において、損切りは早く、利食いは遅めにというシンプルな手法を使っているのだとか。商材屋さんや偽りの成績をブログに載せている場合を除いて、本当に利益を出している人の手法はシンプルな印象があります。
FXなどお金が直接関係する世界は本当に色々な人が存在します。
あまりに訳ありな方が多すぎて、ただ真摯に続けるというだけで優位性を持ちそうと思ったのでした。
まとめ
マーケットに打ち勝った「FXの小鬼たち」、いかがでしたでしょうか。
個人トレーダはいつまでも悩みがつきないものです。そんなときに自分以外のトレーダの意見を聞くと意外な発見があるかもしれません。参考になれば幸いです。
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