日経平均株価が2万円を超えたこともあり、株取引に新規参入する人が多いと聞きます。
しかし、実際に利益を出せる人はほんのわずかです。それもビギナーズラックによる利益がほとんどで、時間が経つにつれて保有したポジションは大きな下落を最後に塩漬けと化すのが個人投資家の常套句と言えます。
「趣味とは浪費するもの」という皮肉な言葉がありますが、趣味で相場をして浪費したいならともかく、相場から利益を得たいと思っているならおすすめできません(こうしてFXをやっているのも十分に多数派なのかもしれません)。
FXにはキャピタルゲインとインカムゲインというふたつの利益があります(ロスと言えば損失になります)。
キャピタルゲインとは為替相場の上げ下げによる「為替差益」になり、インカムゲインとは保有することで発生する「スワップ金利」を指します。
2008年のリーマンショック以降、世界的な政策金利の低下が進み、かつてほど旨みがなくなってきたのは言うまでもありませんが、それでも高金利通貨を使ったスワップ金利狙いも悪くありません。
今回ご紹介するのはオーストラリアドル(豪ドル)を超えて高金利を誇るニュージーランドドル(NZドル)を使ったFXの手法です。
ニュージーランドドルのおさらい

ニュージーランドドルはオーストラリアドルと並んで高金利通貨として人気の通貨です。オーストラリアドルやカナダドルは資源国通貨として知られ、ニュージーランドドルも資源国通貨の仲間入りをしたくなりますが、正確には性質が異なります。
ニュージーランドは原油や鉱物ではなく、農産物を輸出しています。
対日の輸出品目を調べてみると、魚介類、乳製品、野菜、果物とあります(本当はアルミニウムや木製品もありましたがインパクトが欠けてしまうため後回しに…)。
そんなニュージーランドドルの政策金利は、2008年頃まではほかの多くの国と同じように高金利でした(当時の金利は8.00%)。
しかし、2008年9月のリーマンショックを発端に、世界中の金利は低下しました。ニュージーランドも例外なく利下げを繰り返しています。
2015年7月現在、ニュージーランドの政策金利は3.25%となっています。つい先日の6月に0.25%の利下げをしたことから、ほかの通貨に対して弱くなっています。
スワップ金利を狙うFX手法
スワップ金利を狙う手法としてまず考えられるのは高金利通貨を保有し続ける方法です。
「買い」と定義しないのは、通貨ペアによって「売り」ポジションでスワップ金が発生する場合があるからです。
例えば、豪ドルNZドルの場合、金利が高いのはNZドルになるため、「売り」ポジションでスワップ金利が発生します(「買い」ポジションでマイナススワップが発生します)。
保有し続けることの最大のデメリットは、スワップ金利以上の損失を被る可能性が極めて高いことです。FX会社が提唱する方法を鵜呑みにしていてはいつまで経っても利益など出せるわけはありません。
ここではスワップ金利を狙うために日をまたいで保有しますが、定期的にプラスであろうがマイナスであろうが決済をします。
スワップ金利狙いのため、ニュージーランドドルを保有するのに優位性があるときのみエントリし、優位性がないときはエントリをしません。
以下はニュージーランドドルドル(NZD/USD)を使った検証結果です。
ニュージーランドドルドルを使った検証結果

- 検証期間:2000年〜2015年5月
- 損益:+4,459
- 勝率:56.64%
- 平均勝ち:83.28pips
- 平均負け:-86.02pips
- 最大ドローダウン:12.07%
- PF:1.26
- PR(損益率):0.97
成績は良くも悪くも「普通」と言ったところです。
途中凹んでいるところはおそらく2008年あたりだと思います。少しずつ金利が下がってきている最近もやはり成績が不調なようです。
これはあくまでスワップ金利を狙った手法となります。
取引回数は452回。
デイトレードと考えると少ないかもしれませんが、日足を何本も使ったもの、もしくは週足程度の規模で考えると仕方のないことです。
週7日保有×取引回数452回=3,164
3,164×1日あたりのスワップ金利=◯円?
スワップ金利は政策金利と為替レート、またFX会社ごとで変わってしまうので一概には言えませんが、悪くありません。
ニュージーランドドル円を使った検証結果

- 検証期間:2000年〜2015年5月
- 損益:+1,986
- 勝率:55.65%
- 平均勝ち:71.09pips
- 平均負け:-79.29pips
- 最大ドローダウン:22.17%
- PF:1.13
- PR(損益率):0.90
こちらの方がよりスワップ金利に特化したものと言えそうです。金利が下がると影響を受けて利益が低下し、安定しているところでは上下を繰り返します。上げ下げが激しいように見えますが、NZD/USDより損益幅が低くなります。
グラフを見ても分かる通り、為替差益を狙った手法としてではなく、あくまでスワップ金利を狙った手法として活用するのがおすすめです。
まとめ
ニュージーランドドルのスワップ金利だけを狙ったFX手法、いかがでしたでしょうか。
どちらもテクニカル指標は一切使っていないのが特徴です。
今回の手法は「決して有料に劣らないFXセミナーのご案内」のEAのひとつとしてお付けしています。FXトレードがうまくいかないという方の参考になれば幸いです。