カワセ係長さんの「SCH-Trend system」コンセプトは徹底したカーブフィットの排除


SCH-Trend system

EA(自動売買ソフト)とはどんなものかというと、見知らぬ人から見れば怪しくもあり、システムトレードに足を踏みれたことがある人にとっては聖杯にも見えるかもしれません。

EAを使ってシステムを構築する身としてひとつの意見を言うならば、良くも悪くも「EAは所詮EAに過ぎません」。とEAを神聖化している方々に油を注いでしまうかもしれませんが、相手が火でなければ油はただヌルヌルするだけでございます。

「EA」は手動でトレードするの面倒だよね、じゃあ自動化しちゃおうかというのが元々の考えのため、EAだからといってすごいわけでもなく、聖杯というわけでもなく、かといって粗悪というわけではありません。内包されているロジック(この場合売買手法)が優れていれば、長期的にはプラスになり、劣っていれば長期的に(もしくは短期的にも)マイナスになります。

ということでEAというだけで肩肘張る必要もなければ、見下す必要もないのです。毎日「始値で買う」「損切りは200pipsにする」「翌朝の終値で決済する」という単純なロジックをプログラムすれば、それも立派なEAと言えましょう。

さて、今回はカワセ係長さんのEA「SCH-Trend system」を検証したいと思います。

 

「SCH-Trend system」を選んだ理由

いつも検証するEAの選定にはGEM-Trade(ゲムトレード)の無料EA人気ランキングを参考にしています。1位はyumokinさんの「CycleTrapMACD_SCAL」。こちらは以前拙サイトで検証をしました。また、今週の注目EAも同EAだったりします。

>>yumokinさんの「CycleTrapMACD_SCAL」MACDを使ったトレンドフォローEA

といった感じに、これも見た、あれも見た、これは危ない(えっ…)などと個人的な感情を入れながら(そもそも個人サイトでございます)、ランキングを見ていて7位に入っていたのが「SCH-Trend system」という具合でした。

星の数ほどあるEA検証サイト(といっても実際はかなりピンきりですが)でもたくさん紹介されているので、今さらという感じではございますが、レッドオーシャンに飛び込むが如く、「SCH-Trend system」の洗礼を受けてみましょう。

 

カワセ係長さん

システムトレードをする方ならすっかりおなじみのカワセ係長さん。fx-onでも人気ランカー(夜のお仕事っぽい表現です)です。ちなみにfx-onで販売されている「SCH-Trend system」はすでに350人以上が利用しています。

レビューも「丁寧」といったものが多く見受けられます。実際、GEM-Tradeのマニュアルを見ても分かりますが、とても丁寧に作られており、几帳面な方であることが想像できます(係長を妄想)。

 

「SCH-Trend system」

「SCH-Trend system」は以下のようにあります。

この EA のコンセプトは極めて明確です。
それは、徹底したカーブフィットの排除にあります。

それを実現するための私の答えは、”トレンドに乗ること”

“トレンドに乗ること”は極めてシンプルな思想ですが、
一般にそれを的確に実行するのは簡単ではありません。

しかし私の開発した”SCH サイン”は、
トレンドに長く乗ることだけを狙って設計いたしました。

EAの概要を見てみましょう。

  • 通貨ペア:GBP/JPY
  • 使用時間足:15分足
  • 最大ポジション数:1(片側1ポジションまで)
  • 両建て:あり
  • 取引スタイル:スイングトレード

気になるのは「SCH」と呼ばれるものです。これは「SCHサイン」というもので、カワセ係長さんが編み出した「低カーブフィット・トレンドフォロー型ロジック」とあります。「相場の転換点を意識しながらポジションを取る」ロジックは本EAの要と思われるため、詳細は非公開になっています。

「カーブフィットの排除」というのは、手法を作る上で本当に気をつけなければならないことのひとつです。カーブフィットをすれば、成績はきれいな右肩上がりの曲線を描くのですが、実際の相場には通用しなくなります(再現性がない)。

反対にカーブフィットをしないと、どうしてもムダなトレードが多くなるというジレンマもあるのです。しかし、トレードは勝率100%なぞないため(優れた手法は50%前後とも言われています)、利益から損失を引いた残りをいただくくらい長い目でお付き合いをするのが大切なのかもしれません。

あの子のここが好き、でもあそこはたまに良くない、でも一緒にいたい…

そんなことだってきっとあるでしょう(知らない恋愛を語る/白目)。

 

「SCH-Trend system」のパラメータ

以下は、「SCH-Trend system」のパラメータになります。まずはザッと見てみましょう。カッコ内()はデフォルト値(初期値)です。

 

パラメータ

  • MagicNumber:マジックナンバー(2328101)
  • Lots:取引ロットを入力します(0.1=1万通貨)(0.3)
  • TakeProfit:リミット値をpipsで入力します(400)
  • StopLoss:ストップ値をpipsで入力します(120)
  • Exit:含み益決済値pipsで入力します(300)
  • Slippage:スリッページをpipsで入力します(20)
  • GMT:FX会社のGMT(2)
  • Summertime:サマータイム補正(true)
  • EU_Summertime:EU式サマータイム(false)
  • Retrytime_Duration:リトライ機能(15)
  • NY_Closetime_Entry_Offset:0:00 のエントリーを任意で遅らせる(0)

「MgicNumber」はEA固有のマジックナンバーを最大10桁で入力します。誤作動が起きる原因になるため、同じ口座に同じマジックナンバーが存在しないようにします。

「TakeProfit」と「Exit」の違いが分からない方がいるかもしれません。「TakeProfit」はいわゆる「指値」決済になります。設定したpipsを指値で設定します(初期値は400)。

「Exit」は「含み益決済値」と言われ、4時間足確定時に設定したpips以上含み益があったときに決済されます(初期値は300)。いわゆる「終値で判定する」というものです。ちなみに使用するチャートは15分足になります(内部ロジックで4時間足を計算していると思われます)。

「GMT」にはFX会社のGMTを入力します。マニュアルにも証券会社ごとの設定値が記載されているので迷う必要はありませんが、例えばGEMFOREXなら「2」と入力します(夏時間でも通常時のGMTを入力します)。

 

Summertime

使用するFX会社がサマータイムを導入している場合は、「Summertime」を「true」にします。サマータイムがないFX会社の場合は「false」にします。

サマータイムがEU式(英国式)の場合、「EU_Summertime」を「true」にします。米国式の場合、もしくはサマータイムがない場合は「false」にします。

 

Retrytime_Duration

「Retrytime_Duration」はリトライ機能です。万一注文がエラーなどで通らない場合、1分ごとに注文されます。初期値では「15」のため、15分まで(00分〜15分までの16回)注文を繰り返します。

 

NY_Closetime_Entry_Offset

「NY_Closetime_Entry_Offset」はニューヨーククローズ時のエントリーをずらすパラメータです。ニューヨーククローズは多くのFX会社でロールオーバーという手続きが行われるため、注文を受け付けないFX会社があります。そのため0時(日本時間の午前7時/夏時間は6時)の注文をずらします(初期値は「0」)。

たとえば、「NY_Closetime_Entry_Offset」を「10」に設定した場合、7時10分(夏時間は6時10分)に注文されます。さらに、前述の「Retrytime_Duration」も「15」に設定している場合、注文エラーがあると、7時時10分、11分、12分……25分まで注文を繰り返します。

「NY_Closetime_Entry_Offset」はかなりトレーダ目線の機能なので重宝します。

 

「SCH-Trend system」のバックテスト結果

SCH-Trend system

「SCH-Trend system」のバックテストを実施しました。スプレッドは40(4.0pips)で実施しています。また、基本デフォルト設定でバックテストしていますが、取引ロットのみ分かりやすいように0.1(1万通貨)で実施しました。

  • 期間:2005年1月〜2016年4月
  • 初期証拠金:10000(ドル)
  • 取引ロット:0.1(1万通貨)
  • 純益:+14,505.20(ドル)
  • プロフィットファクタ:1.12
  • ペイオフレシオ:2.31
  • 最大ドローダウン:15.32%
  • 勝率:32.73%
  • 最大勝ちトレード:+363.98
  • 最大負けトレード:-111.88
  • 平均勝ちトレード:+125.37
  • 平均負けトレード:-54.23
  • 最大連勝:1
  • 最大連敗:3

スタンダードな成績と言えます。最近見ているEAがそうだからか、変なEAが淘汰されてきているからか、勝率が妙に高いとか曲線が異常なまでにきれいとか、そういうEAを見ない気がします(多少選定する時点でも選んでいますが)。

本EAの特徴はなんといってもその勝率の低さです。30%台でこれだけの成績をキープできるのは本当にすごいと思います。ドローダウンも適度にあるため、淡々と使い続け(間違っても連敗が続いたからといっても止めるのはダメですよっ)、ドローダウンを更新したら運用を止めるくらいの長い目で運用するのをおすすめします。

資金管理については、$10,000(約100万円)に対して0.3ロット(3万通貨)が推奨されています。個人的にはドローダウンが15%ほどあるので、$10,000に対して0.1ロット〜0.2ロットくらいでもいいかなと思います(チキンなので)。

 

まとめ

GEM-Tradeの無料EA人気ランキング7位のEA、カワセ係長さんの「SCH-Trend system」を検証してきました。

カワセ係長さんはこのように述べています。

1つの EA に依存しないで下さい。
SCH-Trend system は可能な限りカーブフィットを低減していますが、 勿論、万能ではありません。完全な聖杯なんて存在しないのです。

ただ、利大損小のスイングタイプである SCH-Trend system が不調な時、 EURUSD のスキャルピング EA などは好調に推移しているでしょう。

…そして、その逆も然りです。

EAを上手に活用する方法のひとつはポートフォリオを組むことです。EAを聖杯とせず、そして見下さず、長期的に淡々と使い続ける、そして一定のルールで切り捨てるくらいの気持ちで使ってみるのも悪くありません。

>>GEM-Trade(ゲムトレード)公式ホームページ


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しゃまらーしか

しゃまらーしか

ひょんなことからFXサイトを作ったシステムトレーダ。東京都港区在住。スプレッドシートを使って過去のチャートを分析するのが得意です。MT4を使ったEAの開発もしています。大好物の甘い物を求めて、今日もVivienne Westwoodのお洋服をこしらえて甘味処を探索しています。

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