江戸の賢人に学ぶ「相場の極意」


相場の極意
日本だけでなく視野を広げて世界を見ることが大切と言われます。と同時に時間軸を広げて過去を見ることも素敵そうです。きっと流行りの邦楽だけではなく洋楽を聴くのも同じ、時代を超えてロックンロールにジャズ、古典音楽と言われるクラシック音楽を聴くのと似ているのかもしれません。

今回ご紹介するのは江戸時代の相場師、牛田権三郎と本間宗久のふたりについて書かれた「相場の極意」。ただ儲ける方法ばかりを追いかけるのではなく、先人たちの足跡を見るのもきっと役に立つと思います。

 

江戸の相場師

日本の相場の「極意書」と呼ばれる書物には代表的なものがふたつあります。

  • 牛田権三郎「三猿金泉秘録」
  • 本間宗久「相場三昧伝」

お二方とも江戸時代の米相場で活躍した相場師で、その心構えは現代でも十分に使えると言われています。200年も300年も前に言われたというのはとても素敵ですよね(どうも昔に思いを馳せてしまいましょう)。

特に本間宗久に関しては「本間様には及びはせぬがせめてなりたや殿様に……」とも言われるほどの神様っぷりでございます。大っぴらにするかしないかの違いで、リスクを負った相場のリターンというのは何物にも代えられないのはいつの時代も同じと言えそうです。

ときに殿様をも超えると言われる相場師。たしかにウォーレン・バフェットを見ても世界の長者は投資家であることがわかります。ランチの権利がオークションで買ってもらえるってすごいことですよね。僕に限ってはお金を出してやっとこさ誰かと一緒に食事をしてもらう身分だと言うのに…。

 

「三猿金泉秘録」

さて、牛田権三郎が「三猿金泉秘録」と名づけた由来は以下のように書かれています。

三猿とは見猿、聞猿、言猿の三なり。眼に強変を見て、心に強変の淵に沈むことなかれ。只心に売りを含むべし。耳に弱変を聞いて、心に弱変の淵に沈むことなかれ、只心に買いを含むべし。強弱変を見聞とも、人にかたることなかれ。言えば人の心を迷わす。是三猿の秘密なり。金泉録とはこの書の号なり」

古文が苦手な方にとっては何じゃこれなので噛み砕いてみてみましょう。

相場がアゲアゲでみんなが騒いでいるときこそ売り逃げることを考えましょ。相場が暴落したときこそ慌てないで買いどきをさがしましょ。情報を得たって人に言うのはよしておきましょ。

とても趣深い言葉ですよね。リーマンショック後に大勢のトレーダが退場したことも、レンジ相場のあとの上昇トレンドで多くのレンジ売買をしていたトレーダが退場したのを考えると、きっとこの上昇トレンドのあとの下落もと。そのときどちら側にいるかはきっと自分次第だと思います。

他人の声に耳を貸さないのとは違いますが、相場の雑音をシャットアウトするというのは大切です。「円安はどこまで進む」「1ドル125円は目前に」耳障りが良いのも分かりますし、賢そうな会話なのも分かります。

ただ、ファンダメンタルズについて熱い議論を交わすのと相場から利益を得るのはまったくの別物であるということです。これはファンダメンタルズの意味がないとか、相場の勉強をしても意味がないと言っているわけではありません。とどのつまり、一流のエコノミストと呼ばれる人たちの意見など参考にならないということです。

ほかにもあの有名な格言「人の行く裏に道あり花の山」と同じようなことを

野も山も、皆いちめんに弱気なら、あほうになって米を買うべし

と述べています。

僕も流行りの手法や人気の商品など、まわりの人たちと同じようなものを使わないようにと心に決めています(できているかは別問題ですが)。

 

「相場三昧伝」

「酒田五法」を考案したと言われる相場の神様、本間宗久の書いた「相場三昧伝」は米相場の真髄を書いた本です。

米の高下は天性自然の理にて高下するものなれば、きわめて上がる下がると定め難きものなり。この道不案内の人は迂闊にこの商いすべからず

米相場の上げ下げは自然の摂理で動くものなので、必ず上がるだとか必ず下がるだとかを言うことはできない。こういうことをわきまえないで相場のこともよく知らずに相場に手を出してはいけないという意味です。

本間宗久は他にも素敵な言葉を数々残しています。原文は省略しますが、自分の相場観などを人に話すものではないと言います。外れれば人の恨みを買うだけ。

また、相場の予想が当たったときは人に言いたくなるものだけれど、慎みなさいとも言います。どこの世界でも本当に有能な人というのは謙虚であるのかもしれません。

いぶし銀な「酒田五法」、いつかもう少し活用してロジックにできないかと思う日々でございます。

 

まとめ

江戸の賢人に学ぶ「相場の極意」、いかがでしたでしょうか。

牛田権三郎、本間宗久、江戸時代を生きたふたりの相場師の心構えを知るのにぴったりの一冊です。少数派が利益を出せる相場において、多数派に回るか否かは自分次第。FXの中でも流行に入るのだけはよしておこうと常々思います。

江戸の賢人に学ぶ相場の極意


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しゃまらーしか

しゃまらーしか

ひょんなことからFXサイトを作ったシステムトレーダ。東京都港区在住。スプレッドシートを使って過去のチャートを分析するのが得意です。MT4を使ったEAの開発もしています。大好物の甘い物を求めて、今日もVivienne Westwoodのお洋服をこしらえて甘味処を探索しています。

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