
円安相場が加速し、調整がはじまったかと思ったときには押し目を作ってまた上昇、今度こそと思えば下落して、トレンドが終了したかと思えばまた上昇…。
FXだけでなく相場を予測するのはいつも困難なものです。
インターネットや本を見れば「予想通りの値動き」「前々から言及していた通り」など、自分の予想がいかに優れているかを書いてある文章を多く見かけますが、それらはきっと…。
好みの問題かもしれませんが、自分の手柄を大きく言いたがるのは男性特有の症状だそうです(キャバレーなどでは昔からきっとそう)。
「予測をするのではなくトレンドに乗ることが大切だ」と多くの本に書いてあるけれど、そのトレンドに乗ることが難しいんだよと思っている方も多いと思います。
結局、買っておけば振り回されることはなかった、それならもう少し長い目で相場を見るようにしてみようというのが今日のテーマです。
ここではデイトレードに比べると比較的少数派であるスイングトレードについて見ていきたいと思います。
スイングトレード
一日で取引を完結させるデイトレードとは対照的に、スイングトレードは数日から数週間に渡ってポジションを保有する手法です。
スキャルピングが数秒から数分といったように、デイトレードが小一時間〜ほぼ24時間といったように、一口に「スイングトレード」と言っても取引期間の長さは人それぞれになります。
一般的に日を跨いで保有することもあるので、スワップ金利を狙いやすいのも特徴と言えるでしょう。
スイングトレードのメリット
スイングトレードには以下のようなメリットがあります。
- 相場の短期間の揺れに左右されない
- 取引回数がすくないためスプレッドコストが安い
ちょっとした市場のノイズにだまされないというのは嬉しいところです。実際にスイングトレード用のポジションを持つと、毎日のように発表される指標のちょっとしたスプレッドの開きなどを気にする必要はなくなります。
相場が精神に及ぼす影響は大きく、何も考えなくて良いというのは強力なエッジとなります。個人的にはデイトレードにしろスイングトレードにしろ、資金量に応じたポジションを保有したあとは放置。空いている体を使ってほかのことをするようにしています。
また、スキャルピングをやる人と比べてスプレッドコストが安いというのも嬉しいところです(スキャルピングが悪いと言っているわけではありません)。
スキャルピングや取引回数が増えるトレードでは、小数点以下のpipsまで気にする必要がありますが、スイングトレードでは神経質になる必要はありません(気にするに越したことはありませんが)。
特にシステムトレードにおいては、スプレッドの影響を強く受ける手法は再現性が低いように感じます。
スイングトレードのデメリット
反対にスイングトレードには以下のようなデメリットがあります。
- 相場の小回りが利かない
- レバレッジを上げにくい
頻繁に相場の上げ下げを狙う手法と異なり大きな波を捉えるが故、相場の小回りが利きません。
たとえばロンドン時間で上昇したけれど、ニューヨーク時間で下落したという日の場合、日中足でトレードする手法においてはそれぞれの時間帯で利益を得られるかもしれません。もしくは、逃げ切れることがありそうです。
しかし、スイングトレードでは何かのタイミングでポジションを持ったとき、急激にトレンドが変化しても対応できないという特徴があります。これはノイズに騙されないという利点と表裏一体になります。
また、1回の損切りの幅が大きいため(利益も大きいですが)、レバレッジを上げにくいという面もあります。いわゆる資金効率が良くないというものです。
そのため、相場をはじめたばかりの方ほどスイングトレードは敬遠する傾向がありますが、まずは資金効率より少なくても利益になる手法を見つけることが大切だと思います。
スイングトレードの手法1
以下はスイングトレードを使ったドル円の手法の結果です。

検証期間は2001年〜2014年11月、損益は+3,912pipsとなりました。
上の手法はテクニカルは使っていないごく単純なロジックです。
スイングトレードでも利益が出ることが分かります。
スイングトレードの手法2
続いてふたつ目のスイングトレードの手法です。

検証期間は2001年〜2014年11月、損益は+2,625pipsとなりました。
やはり優位性のあるトレードを行うことができそうです。
スイングトレードの手法1と2を同時に使う
下記のグラフ上のふたつの手法を同時に使ったものです。

損益は1と2を足した+6,537pips。
右肩上がりの曲線がより安定したのが分かると思います。
大切なのはふたつの成績を比べてどちらが劣っているか優劣を付けることではなく、同時に動かすことでドローダウンを軽減させることです。
また、デイトレードやスイングトレードどちらかに依存することなく、できれば両方を同時に使うことで、よりドローダウンを減らすことが可能になります。
期間ごと、通貨ペアごとに資金を分散させるというのも悪くなさそうです。
まとめ
もう振り回されないスイングトレードの手法、いかがでしたでしょうか。
ここでご紹介した手法は1週間に一度トレードするだけの簡単なものです。
トレンドやレンジ、調整など日々の細かいことに振り回されないスイングトレードを手法のひとつに加えると強力な武器になります。
トレードの参考になれば幸いです。