
ここ数年(1、2年?)でシステムトレードが急激に流行り出した気がします。
なにも「自分は前から使ってるわ〜」と言いたいわけではありません。
さて、私もシステムトレーダーの端くれなので、FXトレーダーさんと会話すると、しばしばEA(自動売買ソフト)などの話題が出ます。
そこで今回はシステムトレードをざっくりと比較し、その前にシステムトレードをもう一度定義してみたいと思います(検証はそれからです)。
システムトレードとは
「すべてがFXになる」おなじみの定義、システムトレードとは以下のように定義されています。
投資を行う際に裁量を排し一定売買ルールに従って売買を行う方法。非裁量トレードの事。
そうなんです。
私もこの意味で「システムトレード」という言葉を使っています。
しかし、会話の中で「システムトレード」と言うと、「MT4(メタトレーダー)でEAを使っている人」みたいな存在になっているのをひしひしと感じます。
システムトレードの神様と言われるラリー・ウィリアムズだって、コンピュータやインターネットが発達するずっと前からシステムトレードをしていたわけですから、やはり多少の語弊がある気がします。
とは言うものの、広義でシステムトレードというと、何かしら自動売買をしている印象が強いのでしょう。私がお世話になっているfx-onさんでも煩雑にしないことを考慮してか、「システムトレード=EA」として販売しています(たぶんですが)。
私はEAを使った自動売買もしていますが、一定ルールに則って手動でも売買をしています。ヒロセ通商さんやJFXさんのように、取引数量に応じて食べ物をくれる食品キャンペーンが好きだからです(笑)。
誤解している人も多いですが、システムトレードは手動で取引するところを手間や工数などから自動で売買しているにすぎません。
そのため、「手動」で勝てないからと言って「自動売買」をすれば良いというのは少し違う気がします(もちろん優位性のある自動売買を黙って使っていればお金は増えると思いますが)。
あとはある程度枚数をあげると、自動売買するより手動でトレードする(もしくはあまり大きな声では言えませんが注文を他人にお願いする)方がスプレッド込みの手数料が安く済むという噂もちらほら…。
最近流行りのシステムトレード
さて、システムトレードの定義が終わったところで、最近流行りのシステムトレード(シストレ)に移りたいと思います。
最近はFX業者各社から様々なシステムトレードの商品が開発されています。
大きく分けるとミラートレーダーに代表される「選択型」、ユーザーで設定する「設定型」、メタトレーダーに代表される「プログラム型」に分類できます。
「トラリピ」などの「リピート系発注機能」は「選択型」とも言えますし、細かな値幅はユーザーが設定するので「設定型」とも言えます(一般的には「設定型」に分類されます)。
システムトレードのメリット
タイプは異なれど、システムトレードのメリットのひとつは、感情を排したトレードが可能になることです(実際に感情を排してトレードできているトレーダーはほとんどいないと思います)。
また、自動売買なら24時間相場を見張っていてくれるので、大きな事件の起きやすいニューヨークタイム午後(日本時間深夜)に何かあっても利益のチャンスを逃さないというのもメリットのひとつと言えます(この時間帯はとても大きく相場が動きやすい特徴があります)。
さらに、継続しやすいのもメリットにあげられます。単純な作業を毎日続けるというのは思っているより退屈なものです。周りを見ている限り、手動で淡々とひとつのルール通りにトレードを続けている人はほとんど見たことがありません(ボソッ)。
前述のミラートレーダーに限っては、世界中の優秀なプロトレーダーが考案したストラテジーとあるので、これらのストラテジー無料で使えるのも長所と言えます。
ただ、長期間運用すればプラスになったものの、途中の損失で耐えられなくなり運用を止めてしまい、結局マイナスで終わってしまうというトレーダーも数多くいるのが現実です。無理のない(少なすぎるくらいの)枚数でトレードすること、最大ドローダウンを知ることが大切になります。
システムトレードのデメリット
システムトレードのデメリットといって真っ先に思いつくのはスプレッドの広さです。
ミラートレーダーは「世界中の優秀なプロトレーダーが考案したストラテジーを使える」というのが売り文句ですが、そのメリットを享受できる分、通常のトレードよりスプレッドが広いのが特徴です。
- ドル円:2〜3pips
- ユーロドル:2〜3pips
- ユーロ円:3〜4pips
- ポンド円:5〜6pips
現在、2pips程度で取引できるポンド円に5pips使った場合、1日3回の取引で9pips、1ヶ月20営業日で180pipsもの差が生まれることになります。
もちろん優秀なストラテジーを使える分、月間180pips(1日1回の取引なら60pipsです)を安いとするかどうかは人それぞれです。
また、ストラテジーの内容がブラックボックスで公表されている成績からしかシステムを判断できないこともデメリットにあげられます(システムの内容を公開できないのは仕方ありませんが)。
どれだけ過剰に最適化されたのかが分からない、そもそもどれだけ多くのテクニカル指標を使ったものなのかが分からないという点は、どこか怖いものを感じます。
システムトレードが面白い
ここまでシステムトレードの定義、メリットとデメリットを見てきました。
こうやって記事を書いたことからも、私も各社の「ミラートレーダー」やひまわり証券の「エコトレFX」、FXプライムの「ちょいトレFX」が気になっています。
特にFXプライムの「ちょいトレFX」は自分でも手法を作ることができるので楽しみです。
ミラートレーダーなどの選択型システムトレードは、サーバーの負担を軽減するために、口座を開いたり、30日間限定という通常のFXより縛りはありますが、これらの商品を試してみたいと思います。
まとめ
システムトレードをざっくり比較してきました。
システムトレードはきちんと取捨選択をすることで、安定した利益を得ることができる素晴らしいツールだと思います。システムトレーダーの方はもちろんのこと、普段は裁量でしかトレードしていないという方も手法のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。