次に何が起こりそうか知る必要はない「ゾーン 相場心理学入門」


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たとえば「好きな映画は何?」という会話になったとき「ショーシャンクの空に」と答えた人に対してどう思うかということです。「ああいい映画だよね」と会話できるかもしれませんが、人によっては「ちょっとそれは王道すぎやしないだろうか」ともなりかねません。

「いかにも」というものはほかにもあり、たとえば「ライ麦畑でつかまえて」や「アルジャーノンに花束を」も似たものを感じるのではないでしょうか。ヴィレヴァンぽいと言うのかサブカルっぽいと言うのか、相場の世界には関係ないのかもしれませんが、ついついそう思ってしまうものでございます。

そして相場、ことFXに限っていえば「良質な本ってなに?」となったとき「ゾーン 相場心理学入門」がぴったりあてはまると思うのです。上手く説明しないと間違いなく意識高い系に分類されてしまうし、かと思えば特にこれといった手法が載っているわけではないので説明が難しかったりするのではないでしょうか。

それでもやっぱり一度は通っておきたい「ゾーン 相場心理学入門」。

今回は恐る恐る見ていきたいと思います。

 

マーク・ダグラス

「ゾーン 相場心理学入門」を書いたのは、アメリカのトレーダであり、トレード心理学に関するセミナなどを開発する会社の代表を務めるマーク・ダグラス。

「規律とトレーダー」も書いています。

ちなみに日本では「ゾーン」のあとに「規律とトレーダー」が出版されていますが、本来は「規律とトレーダー」が先に出版され、タイトルが「投資苑」の中で使われ、「ゾーン」が発売されたというのが時系列になるようです。

このあたりは本だけでなく、海外から入ってくるものによくあることだと思います。

ダグラスさんは、トレードで成功を収めるカギについて以下のように述べています。

網羅されたマーケット分析や最新型の「システム」ではない。投資家自身の心理の強化にある。そしてそのためにはトレードを確率的視点から考察し、適切な中核的信念を取り入れて「勝者の心構え」を持つ必要がある

後半はだんだんと哲学的になってきました。日本でもこういうことを言っているセミナは数多くあるので、どうしても胡散臭く感じてしまうのは辛いところですが、システムトレーダにとって「確率的視点」というのは大切なことだと思います。

 

トレーダーの95%が1年で資金を失う

正しくは「先物トレーダー」とありますが便宜上「トレーダー」としました。

これはよく言われることなのでご存知の方も多いと思います。

なぜ多くの人が、その大半はほかの職業では大きな成功を収めているというのに、トレードでは悲惨な結果に終わってしまうのだろうか。

僕もこれまでに東大生、国会議員の秘書、医者、会社経営者、御曹司などなど、社会的にステータスが高い方とお会いする機会があり(もちろんたまたま会っただけですが)、その度に正装もしない自分に恥じていましたが、それらは関係ないというのが今のところの見解です。

もちろん物覚えが良い、学習能力が高いなどは関係あると思いますが、政治家が農業に関しては素人なのと同じように、相場というのもまったく別の世界なのだと思います。

誤解がないように書いておくと、僕は社会的なステータスがある人を恨んでいるわけではありませんし、普通に生活する分にはあった方が良いと思っています。ただ、相場とは関係ないというだけです。

学校で好成績を取るため、キャリアを積むため、他人との関係を築くために学んだ術、日常生活を維持するためにすべきだと教え込まれた術が、トレードでは不適当

なんとなくですが実際に相場で生計を立てられる方というのは思ったより質素で、それでもどこか斜に構えていてという特徴がある気がします。

 

システムトレーダが知っておきたい信念

  1. 利益を出すために次に何が起こりそうか知る必要はない
  2. 何事も起こり得る
  3. どの瞬間も唯一のものである

予想をしたりというのは耳障りが良いものですし、こと運営サイトに限ってはPV数も稼げるのでしょうが、意味はないのだと思います。

会社をやってサービスを売る場合は、みんなが好きそうなことを考える必要がありますが、トレーダの場合は、周りが何を言っていようが、たとえそれが少数派であっても説得する必要がないというのは良いところです。

こればかりはトレーダだけが得られるものだと思います(社会的には相当身分が低いのは覚悟した方が良いですが)。

 

カジノ的優位性を用いたトレード法

よく1回のトレードごとにどれだけの期待値があるかという話がされますが、ダグラスさんは以下のように述べています。

トレードが単純な確率(数字)のゲームにすぎず、スロットマシーンのハンドルを引く作業と何も変わらないことを確信してほしい。

ミクロレベルでは、個々の優位性の結果は独立して発生し、ほかのトレードとの関係はランダムであるが、マクロレベルでは一連のトレードから最終的に一貫した成績が残るのだ。

FXは必死に線を引いたり勉強が大切と言われますが、極論はダグラスさんの意見だと思います。もちろん勉強することは大切ですが、方向を間違えると大変なことになることだけは理解しておく必要がありそうです。

スロットマシーンという表現には語弊があるかもしれません。特にシステムトレードはトレード回数がものをいうので、熱を入れる場所は考えた方が良さそうです。

 

まとめ

次に何が起こりそうか知る必要はない「ゾーン 相場心理学入門」、いかがでしたでしょうか。

僕も最近ものを書く場所と内容はわきまえるようになりました。相場だけはみんなの意見に合わせても良いことはないと思います。

久しぶりに読み直して面白いと思ったのでした。

ゾーン ― 相場心理学入門


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しゃまらーしか

しゃまらーしか

ひょんなことからFXサイトを作ったシステムトレーダ。東京都港区在住。スプレッドシートを使って過去のチャートを分析するのが得意です。MT4を使ったEAの開発もしています。大好物の甘い物を求めて、今日もVivienne Westwoodのお洋服をこしらえて甘味処を探索しています。

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