毎月下旬になると「FX攻略.com」さんを眺めては面白そうなネタはないかなと探しています。今月号の表紙で気になったのは「高金利通貨トルコリラでスワップ狙いのトレード!!」。
見つけられていないだけかもしれませんが、それらしい記事は見当たらず、ひょっとしたら「新興国通貨 トルコリラ、南アフリカランド、中国人民元の通貨事情」という記事が「高金利通貨トルコリラでスワップ狙いのトレード!!」に該当するのかもしれません。もしそうだとしたらだいぶ誇大なような…。
普段気にすることのないエキゾチック通貨ペアであるトルコリラ日本円も、最近は高金利通貨ペアとして知名度が上がってきたように感じます。電車内の広告でも度々見かけるという方も多いのではないでしょうか。
ここでは高金利通貨であるトルコリラに注目したいと思います。
目次
トルコリラとは
トルコリラとはトルコ共和国の通貨単位を指します。なんでも「トルコリラ」は2004年まで発行されて、そのあと「新トルコリラ」に変更。その後、2009年からまた「トルコリラ」として流通しているそうです。
FX相場から利益を得ようと思ったときにファンダメンタルズ分析をして云々というのはどこか胡散臭く感じてしまいます。とりわけ短期売買に関してはファンダメンタルズが影響することはほとんどないと考えているからです。
もちろんユーロで悪い材料が出た、米ドル金利が上昇するかもというのはファンダメンタルズに入ると思いますが、「今はユーロは売り目線だけで」考えるとかは少し意味がないのかなと。あくまで個人的な見解です。
そんなトルコリラの政策金利は、2014年9月の時点で8.25%。2001年の金利は100%に近く、20世紀には6,000%だったこともあるのだとか。さすがに崩壊してしまいます。
現在は、2014年8月に就任したエルドラン大統領のもと、これからのトルコの経済成長が期待されているというのが大筋の見方のようです。
気になるスワップ金利ですが、8.25%だと国内FX業者で1日あたり55円〜112円になります。
トルコリラのスワップ
トルコリラのスワップ金利は1日あたり55円から112円とありました。
これは豪ドルやNZドルといった高金利通貨と比べてもかなり高い金利であると言えます。あの頃、高金利と言われていた豪ドルも今ではすっかり2%前後をうろつくほど。いつの時代も諸行無常を感じさせられます。
少し歴史を振り返ってみましょう。個人投資家の9割が退場して大幅な新陳代謝が行われたと言われるリーマンショック前、「FXをやっている」と自称していた個人投資家たちは豪ドルのスワップ金利を目当てに豪華な生活を満喫していました。
ちょうどその頃のオーストラリアの政策金利は7.25%です。2015年現在の政策金利は2.00%なのでスワップ金利で生活をするというのはよほど資金量を豊富に持っていない限り不可能と言われています。
2015年現在、トルコの政策金利は7.5%です。ひょっとするとひょっとすると、あの頃の個人投資家たちが思い描いていたような生活は、トルコリラなら実現できるかもしれません(もちろん損切りはしないといけませんが)。
トルコリラの政策金利に注目したスワップトレード
FXトレーダにとってその国がどうとかはあまり関係なく、気になるのはあくまで利益が得られるかどうかだと思います。
そこでトルコリラの高金利に注目したスワップトレードを検証してみましょう。下記のグラフはトルコリラと日本円を検証した結果です。

検証期間はデータの都合上、2010年からのものです。
結果は+791pips。
スプレッドは国内で比較してみたところ、広いところではなんと15銭、狭いところでは2銭とバラつきがありました。ここまでバラつきがあると約定率も相当影響してきそうです。
広いスプレッドのこともそうですし、スワップ金利の恩恵を最大限に享受するためにも必然的にトレードは週足で行うこととしました。
トルコリラの政策金利に注目したスワップトレード・改良版

今度はさらにスワップ金利を得るためにロングポジションだけに絞ってトレードすることにしました。結果は+395pipsと半分ほどになりましたが、マイナススワップが発生しない分、よりスワップ金利を意識したトレードが可能になりました。
トルコリラの政策金利に注目したスワップトレード・さらに改良版

さらに今度は1つ目のものと2つ目のものを足したものです。FXによる差益も狙いつつ、ロングポジションで優位性があるときはポジション数を増やしました。
結果は+1,013pips。
エキゾチック通貨ペアでこれだけのパフォーマンスが期待できるというのは驚きです。短期的に波を打っているように見えますが、スワップ金利も得られることから実用化したいと思います。
まとめ
トルコリラの政策金利に注目したスワップトレード、いかがでしたでしょうか。
豪ドル、NZドル、加ドルだけでなくトルコリラなどのエキゾチック通貨にも注目してみると色々な発見ができるかもしれません。
トレードのお役に立てれば幸いです。