
今回は試験的ということで、あのロブ・ブッカー氏の手法「ボルテックス」を見てみます。ボルテックスは「ローソク足がピボットポイントに戻る性質を利用」した手法です(ピボットポイントについての細かい説明は割愛します)。
ちなみにこのボルテックス「vortex」とは「旋回する渦巻き」のことで、
何でも吸い込む、強いエネルギーの場。つまり、PP(ピボットポイント)が渦として働き、ローソク足がまるで吸い込まれるようにしてPPに引き寄せられるというわけです。
ここでは検証の参考になるように「ボルテックス」をまとめます。
目次
ボルテックスの進め方
前準備:チャートを開き、ピボットポイントを表示する
通貨ペアをひとつ選んでチャートを開きます。チャートの時間足は1時間か15分。テクニカル指標のピボットポイントを表示しておきます。
STEP1:ローソク足が横ばいの動きになるのを待つ
ボルテックスのシグナルはローソク足の横ばいの動き。これを見つけたら「トレードスペース」を描きます。
STEP2:エントリー、ターゲット、ストップロスを確認する
ボルテックスでは、エントリーとターゲット(リカク)、ストップロス(損切り)の注文を一度に行います。3つの価格はPPからの距離で決めます。
STEP3:注文を入れる
STEP2で算出した3つの価格で売買注文を入れます。使う注文は「IFO注文」です。
STEP4:ストップロス管理をしながら結果を待つ
「損を少なくおさえる」ためには、このストップロス管理が重要!! しっかり学んでおきましょう。
前準備:チャートを開き、ピボットポイントを表示する
前準備として「チャートを開いてピボットポイントを表示する」があります。
ボルテックスで新規注文を入れるのは、日本時間の月〜木曜日の午後3〜4時以降をオススメします。これはヨーロッパの為替市場が開く前の時間です。為替が動きだして、ローソク足がPPからさらに離れるか、戻ってくる傾向があり、トレードのチャンスだからです。
時間足は1時間足か15分足。
通貨ペアは、ポンド/円、ユーロ/円、ポンド/ドルの3つがあげられています。
STEP1:ローソク足が横ばいの動きになるのを待つ
ある一定の値幅で上下を繰り返す「横ばい」の動きになるまで待ちます。
横ばいの動きをみつけたら、PPとローソク足の間にスペースが見えてきます。そこに「トレードスペース」を描きます。「トレードスペース」を描いたら、その高さが50pips以上あるかを確認します。高さが50pips以上あれば、ボルテックスのトレードができるチャンス到来です。
少し待ち、ローソク足が横ばい状態に疲れて、PPに向かいそうな様子を見せたらそのときがチャンスです。この「PPに向かいそうな様子」の目安は、ローソク足がPP側に長いヒゲを残したときです。
STEP2:エントリー、ターゲット、ストップロスを確認する
ローソク足がPPの上(下)にあるとき、PP価格から20pips上(下)の地点にターゲットをおきます。
エントリーはターゲットから30〜50pips上(下)の地点です。この範囲はトレードスペースの高さによって調整します。
ストップロスは、エントリーから50pips上(下)です。
分かりにくいので(小さいですが)画像を掲載します。

「買い」の場合、以下の並びになります。
───PP
───ターゲット
───エントリー
───ロスカット
PPを中心に20pips離れた場所がターゲット、ターゲットから30〜50pips離れた場所がエントリー、エントリーから50pips離れた場所がロスカットです(「売り」はこの逆になります)。
STEP3:注文を入れる
先ほど算出したエントリー、ターゲット、ストップロスの3つの注文に反映させます。注文には、「IFO注文」を使います。
ただし、本書を見る限り、エントリーは「PPに向かいそうな様子を見せたら」と裁量が入っているので、IFOは難しそうです。システムに落とし込むときには、このあたりがポイントになると思います。
STEP4:ストップロス管理をしながら結果を待つ
IFO注文をしてしまえば、あとは結果が出るまで放っておくことも可能です。
しかし、確実に「1日10pips」の目標を達成するためにも、注文をしたあとは放っておかずに、トレードのなりゆきをときどきチェックするようにしましょう。
ストップロスはあくまでも緊急事態用のシートベルトと考えておきましょう。
大痛手になる前に自分で判断し、手動で損切り決済するのが賢明です。
また、応用としていくつかの点があげられています。
15pips利益が穫れる位置に来たときに、当初、エントリーから50pips離して設定していたストップロスの位置をエントリーの位置に移動しておきます。
こうしておけば、もしローソク足が思惑とは逆に動いてしまい、ストップロスに当たって自動的に損切りされてしまっても、失うのは0pips。つまりリスクはプラスマイナスゼロ。最低でも損しないということです。
トレーリングストップの考え方です。
もうひとつ、さらに利益を追求する方法も紹介されています。
ターゲットを越える利益を目指したいときは、当初設定したターゲットをPPの位置に移動します。そもそもPP自体をターゲットに設定するトレーダーも数多くいます。
このときにも大事になるのが、前述のとおりストップロスをエントリーの位置に動かしておくことです。こうしておけば思惑が外れてローソク足が切り返してしまっても損はゼロで済み、失うものはナシ。
まとめ
ロブ・ブッカー氏の手法のひとつ「ボルテックス」について見てきました。
ローソク足がピボットポイントに戻る性質を利用したというのはトレードの王道と言えます。難しいのは、30〜50pipsという価格の幅、ストップロス(損切り)の場所を移動する、ターゲット(利益確定)も伸ばしてみるという「裁量」による点が多いところです。
昔から気になっている手法ではあったのですが、今回、改めてまとめてみました。