FXでは高い勝率があると勝っていると思われがちですが、実際は利益と損失のバランスがあるため一概にはそうとは言い切れません。
しかし、できることなら勝率を上げたいと思うのが人間です。
FXで勝率を上げることはそれほど関係ないと言っておいてなんですが、FXで勝率を上げる方法はいくつかあります。もちろん「勝率を上げるために損切りをしない」という一休さんよろしく頓智ではありません。
ここでは複雑なロジックは一切使わず勝率を上げる簡単な方法をご紹介します。
FXで勝率を上げるために検証する
今、自分の使っている手法の勝率が分かる人はどれくらいいるでしょうか。ブログという小さな世界において、大きな会場で講義を行っているかのような問いかけをしてしまい申し訳ございません。
さて、きちんと検証をしたことがあるという人は少ないと思います。
自分の使っている手法がどれだけのポテンシャルを持っているかを把握しておくことは大切です(この場合、ポテンシャルとは勝率や利益、平均の利益や損失を指します)。
検証の方法は「FXで生き残るために最低限必要な検証方法」にもあります。FX相場から継続的に安定した利益を出したいという方は、今使っている手法の成績を検証してみることをおすすめします。
FXで勝率を上げるために使う「期間勝率」
それでは本題に入ります。毎日「買う」でもいいですし、前日が陽線なら「買う」でもかまいません。このような単純なルールの場合、勝率は50%前後となります(スプレッドの関係もあるので利益が出るかは別問題です)。
毎日「買う」といった単純なルールをそのまま実践に移すと大きなドローダウンにも遭遇し、とてもではありませんが長期間継続するのは困難になります。
そこで「期間勝率」を利用します。期間勝率とは直近の勝率を利用したものです。10期間だったら直近10日間(10トレード)の勝率、20期間だったら直近20日間(20トレード)の勝率です。
通常、期間勝率はその手法の持っている「勝率」から乖離すれば元に戻ろうとします。もっと言うと、勝率50%の手法の期間勝率が80%になると次の1回は負ける確率が上がります。逆に期間勝率が20%まで落ち込むと次の1回は勝つ確率が上がります。
期間勝率は、システムトレードをはじめた方や、勝率50%のシステムのトレードの期待値は毎回変わらないと思っている方には信じられないかもしれません。
次の1回におけるトレードの勝ち負けの確率は変わらなくても、システムが持つ勝率から乖離すると、勝率は平均勝率に戻ろうとします。これは「回帰」などとも言われます。
それではこの「期間勝率」をトレードに取り入れていきましょう。
FXに「期間勝率」取り入れた手法
以下のグラフは期間勝率を取り入れた手法の結果です。

検証結果は2001年〜2014年10月。利益は+10,147pipsとなっています。ロジック自体はごく単純なものなのですが、注目すべきは「期間勝率」です。
上記の手法では最初はトレードをしていません。直近の期間勝率が40%、30%、20%と下がってきたらエントリを開始し、勝率が高くなってきたらまたトレードを停止させます。これによって自然に高勝率でのトレードが可能になるのです。
常にポジションを持っていないと気がすまないポジポジ病の方は、ポジションを持っても勝つわけではないということを考え直すのも良いと思います。
トレーダがすべきことはポジションを持つことではなく、相場から利益を得ることです。トレード回数を重ねることはFX会社にスプレッドを献上することにもつながり、何ひとつとて良いことはありません。
より積極的に「期間勝率」を取り入れた手法
さらにリスクをとって積極的に利益を追求したい場合は、期間勝率が下がるたびにエントリする枚数を増やしていくことも可能です。

勝率ごとにエントリする枚数を調整した結果、利益は+17,630pipsまで増加しました。システムトレードの神様、ラリー・ウィリアムズも同様の手法を使っているとあります。ラリー・ウィリアムズの手法はベット枚数をより柔軟に変化させていくのが特徴です。
(システムトレーダ必見!「ラリー・ウィリアムズの短期売買法)
通常、トレードをするというと毎回決まったタイミングでエントリと決済を繰り返すことを想像します。もちろんそれも間違いではありません。
しかし、より単純なルールですら、期間勝率を意識するだけで成績が激変することがお分かりいただけると思います。
期間勝率を使ったトレードでは必然的にトレード回数が少なくなります。そのため、トレード手法を増やす、取引通貨ペアを増やすことをしてもかまいません。
まとめ
FXの勝率を上げる簡単な方法、いかがでしたでしょうか。
手法云々に着目せず「期間勝率」だけでも大きく利益が取れるというのは驚きですよね。多くの人が騒いでいるときは虎視眈々と構えておき、いざというときにエントリするのはとても大切なことなのかもしれません。
トレードの参考になれば幸いです。